本当に役立つ「月次決算データの見方と使い方」

4.問題解決の流れ

 問題解決を実施するにあたっては、本質的問題の発見→仮説の構築→仮説の検証→問題解決案の立案→実行→見直し、という流れをたどる。簡単にそれぞれの項目について簡単にふれてみよう。

 本質的問題の発見:問題解決一連の流れの中でここが一番重要である。例えばどの企業でも抱えている問題点として、もうからないで困っているという問題があげられる。この場合の本質的問題は何か?もうからないということが本質的問題なのだろうか?

 答えはノー。もうからないで困っているのは単なる「現象」にすぎない。本質的問題とは、その裏返しがその問題の解決策になることを指す。もうからないので、もうけたい、というのは単なる願望であり、もうからないという問題を解決できない。このようなものは本稿では本質的問題とは言わない。例をあげて考えてみよう。新規顧客を毎月2件取ろうとして、その前提として月に10件の新規顧客訪問、そして20%の確率で受注するという計画を立てていたとする。

 しかし、営業担当者は月に5件しか顧客訪問ができないばかりか、1件の受注もなかったとする。なぜこうなったのかをさらに調べていくと、この営業担当者は転職を決意しており、気もそぞろで営業活動どころの状況ではなかった。この場合、売上が上がらない理由は営業マンが機能していないことであり、解決策としては営業マンを機能させるために営業マンを変更するという解決先が考えられる。この場合、営業マンが機能していないということが本質的問題であり、裏返しとして営業マンの変更が問題解決策となる。

 分かりやすい例として、極端な例をあげたが、たかだかこの程度の問題点でも月次決算で全社合計の試算表を出して、定形化された同業他社との利益率の分析表を作ったところで何もみえてこないだろう。要するに月次決算に当たっては単なる集計という考え方からは一歩も二歩も先を考える必要があるということである。そしてそこで必要なのは、管理、経理という自分の領域だけで問題をとらえるのではなく、もっと広い眼で会社を理解し、変化の兆しを発見し、まだ問題発生に気付いていない社長、現場にその事実を知らせることが重要なポイントとなるわけである。


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