M&Aのハウツー

M&A、IPO業者選定におけるBC(Beauty Contest)をどう見るのか

 まず「美人コンテストとは何か?」というところから始めます。
その名の通り、美人のコンテストなわけです。
その美人コンテストがM&AやIPOの業者選定の際に、どのように関係があるかについてですが、M&AやIPOの業者選定をすることをBC(Beauty Contest)と呼んでいるのです。

 業者選定をする際に相見積もりをしたり、複数の業者にあたりその業者がどのようなサービスをしてくれるか探りを入たりします。
そのためBC(Beauty Contest)は行ったほうが良いのですが、その際に“判断基準”をどこに持つのかが、重要なポイントとなります。
BC(Beauty Contest)という観点からすると、「上場した際にどれだけ高い金額を付けてくるのか(くれるのか)」またはM&Aで売却する際に、少しでも高い金額で売れた方が良いので「どれだけ高い金額をつけてくれる業者か」ということで選定をしてしまいがちだと思います。しかし、高い売却(募集)金額を求めるだけでは危険です。
Beauty Contest(BC)には弊害もあります。業者が「高い売却金額を付ける」とか「IPOをした際に高い募集金額を付けることができます」と言うのは、“単なる業者の見積もり”だということです。つまり、金額というのは“その時(売却、IPO)になってみないと分からない”ものなのです。

 M&Aで「買います」言ってくれた先(買い手)が、売却(譲渡)金額を提示し、契約を締結し、金額を振り込んでくれるまで売却の金額は分からないのです。
IPO(上場)する際も同様です。IPOする時の売上がどれぐらいか、その時の市況がどうかなど、様々な状況によって金額は変わってしまいます。
ですので、金額というのは“その時になってみないと分からない”というのが本当のところなのです。
ですので、これからM&AをするIPOをするという時に、“一番高い金額を付けた業者に依頼をする”というのは、間違っています。
その時までいくらで売れるかわからないのに「うちならいくらで売りますよ」と言い、その金額を保証できるような業者は、どこにも存在しません。

 Beauty Contest(BC)をすることは構わないのですが、その時のポイントが重要です。
皆さんが“高い金額を付ける業者”を選ぶのは勝手ですが、その業者が“本当に信頼できる業者”かどうか、“何か適当な理屈を並べて、適当に高い金額をつけている”様な業者ではないか。是非“信頼できるかどうか”で確認して頂きたいです。

 金額をつけるからには、前提条件が必要です。様々な前提条件を付けないと譲渡金額が高くなりません。そのため、前提条件には事業計画が入っています。
皆さんから見て、業者を選定する際に「こんなの、だれも納得しないでしょ?」というような事業計画で金額を付けているような業者がいたらどうでしょう?
信頼している根拠に基づいて算定しているわけではないのですから、そのような金額ではとても売れませんし、上場することもできません。業者が“どのような根拠でその金額を算定したのか”ということについては、しっかりと見ておいて頂きたいポイントの1つです。

 最後に金額だけではなく、この先のプロセス・流れ、売却先あるいはIPOをどの時期にどのような条件でするのかなど、様々なことについて“皆さんにとって分かりやすい言葉で説明できる業者かどうか”ということを選定のポイントにして頂きたいと思います。

 M&AやIPOを扱う業者というのは専門家ですので、時には非常に難しい専門用語でお客様を煙に巻くといったケースが存在します。
皆さんは分からないことは「分からない」と言って頂いて、いっこうに構いません。
M&AやIPOというのは、皆さんにとって一生に1回あるいは2回あるかどうかといったものです。そのよう皆さんに、非常に分かりにくい専門用語を頻発するような専門家が、良い業者かどうか・信頼できる業者かどうかというと、十中八九“信頼できない業者”であると思って頂いて構いません。
みなさんにとって“分かりやすい説明ができるかどうか”、このことを“信頼できる業者かどうかの判断基準”として頂ければ良いと思います。

 売却金額あるいは、上場する時の金額(時価総額)が高いからといって、その業者に決めるといった短絡的なことだけは注意して頂きたいと思います。


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