債券の時価評価と金融業の今後について

債券の時価評価が生命保険会社の課題となっています。金利が上昇すると、低金利時に購入した債券の利回りが相対的に見劣りするため、保有している債券の価値が下がってしまいます。利息の低い投資をしているわけですから、当然ながら評価は下がります。
一方で、債券は市場で売買可能な金融資産です。したがって、現在市場で入手可能な債券よりも利回りの低い債券は、当然割安な価格で取引されることになります。
たとえば、市場で年利5%の債券が購入できる状況で、年利3%の債券を購入しようとする人はいません。よって、その金利差を反映して価格が下がり、その取引価格が時価となります。
この時価が債券の評価額になります。つまり、低金利の債券を多く保有している生命保険会社は、債券の時価が下落することで損失を計上し、結果として業績が悪化し、バランスシートも毀損する。最悪の場合、経営が傾くこともあるわけです。
確かに、低金利の債券を保有していると、短期的には業績が悪化します。しかし、債券は満期まで保有すれば元本は返ってきます(信用リスクがない場合)。したがって、金利変動による将来キャッシュフローの変動を、時価評価で一気に損失計上してしまうことが、本当に企業の実態を適切に反映しているかには疑問が残ります。
ただし、「満期保有目的」で債券を保有していると明示することは、金利変動や市場の変化に対応しない姿勢と見なされる可能性があり、それはまた問題でもあります。
このように考えると、そもそも債券への依存度が高い資産運用自体に課題があるのかもしれません。しかし、株式やデリバティブもまた高いリスクを伴うため、金融業というビジネス全体の難易度がますます上がっているのが実情です。
当然、そうなれば必要な人材やコストも増え、大規模化・再編・業界再編(合従連衡)は避けて通れない流れになっていくでしょう。
The mark-to-market valuation of bonds has become a major issue for life insurance companies. As interest rates rise, bonds purchased during low-interest periods become less attractive in terms of yield, causing the value of these holdings to decline. Since these are low-interest investments, it’s only natural that their valuation suffers.
On the other hand, bonds are financial assets that can be traded in the market. Therefore, bonds with lower yields compared to what is currently available in the market are naturally traded at a discount.
For example, if you can buy bonds in the market with a 5% annual yield, no one would want to buy bonds yielding only 3%. Hence, those bonds are priced lower to account for the yield difference, and that becomes their fair market value.
This market value becomes the valuation used for accounting. Life insurers holding a large amount of low-yield bonds must recognize valuation losses as bond prices decline, which worsens earnings and impairs their balance sheets. In extreme cases, it could even threaten their solvency.
It is true that holding low-yield bonds worsens performance in the short term. However, if there are no credit issues and the bonds are held to maturity, the principal will be returned. That being the case, it’s questionable whether it is truly accurate to reflect all the future impact of interest rate changes as an immediate loss through mark-to-market accounting.
However, if a firm declares its intent to “hold to maturity,” it might be seen as unwilling or unable to respond to market changes, which poses another problem.
This leads to the conclusion that the fundamental issue may be overreliance on bond-based portfolios. But equities and derivatives also involve significant risks, which suggests that the overall complexity and difficulty of operating a financial business are increasing.
Naturally, this requires greater costs and more skilled talent, and it seems inevitable that industry consolidation and large-scale mergers will accelerate in response.
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