インバウンドの需要が増え、飲食、宿泊業で人が不足しているということです。コロナで減った人が増えてきません。
普通に考えれば、収入がなかなか増えない環境では、仕事が増えれば働きたい人は増えるはずです。ここは大きな論点ですので、今日は深堀りは避けておきます。

こうした問題の解決策として、給料を増やす、という選択肢があることは当然です。
そのためには売上をあげ、会社にも利益を残し、給料をあげる準備をしないといけません。
仕事はありますが、利益が残らない、あるいは少ないという企業ではそれが難しく、このサイクルがうまく回りません。
しかも昇給というのはキリがなく、ここだけの勝負をしていると、ジョブホッピングも増えてきます。

こうした問題を解決するには、自動化を極力進め、人に頼る部分を徹底的に減らすという選択肢があります。
その実践例が信越化学でしょう。

業績急上昇、しかも少数精鋭、ジョブローテションは滅多にせず自分の業務のプロになれ、教育はOJT、と業績向上のためにこれでもかというレベルの徹底をしています。

直近の同社の決算短信（https://www.shinetsu.co.jp/wp-content/uploads/2022/07/20230126_con_J.pdf）を是非ご覧ください。

IFRSも採用していません。フォントもメチャクチャ大きいです。文字もメチャクチャ少ない。
SDGs、パーパス、最近の流行に乗る様子もほとんど見えません。合理的なのです。会社の業績に貢献が見えないものにコストをかける姿勢がまったく見えません。結果、少数精鋭、プロ化した人材を実現しているのでしょう。

しかし結果として、人が働く機会は大幅に増えません。

このように人が働かない環境や働いて結果を出したら給料を上げ続けない環境が続くと、経営として結局人を最小限に絞り込んでも回せるビジネスを作らざるを得ないということです。そういうサイクルを理解し、どこに就労のチャンスがあるのか、ビジネスチャンスがあるのか、という視点を常に持っておくべきだと思います。

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