M&A News

M&Aニュース

イオンが2兆円の食品調達を一本化して、経営効率をあげる裏でリスクがマックスになるのは。

イオンが現在、主要グループ会社8社でそれぞれ仕入をしているものを一本化するということです。これにより、ボリュームディスカウントを狙うということです。

GSM、スーパーマーケット部門の利益率はもともと低く2兆円以上売っても赤字になることも珍しくないビジネスです。したがって、イオンの考えていることは極めて正しいです。

しかし、一本化をするといっても、地域毎の仕入は数も内容も異なります。そこを適正化することはこれまでも取り込んでいるはずですが、イオンに商品を入れている商社、卸はこれまで7社から別々にうけていたオーダーをまとめてうけることになるものの、そのあとの発送までの業務は何ら変わりません。当然、イオンからはボリュームディスカウントの要請を受けることになります。そうなると、さらに利益率の薄い卸業は大変苦しくなるはずです。そして、それは卸業へ販売している生産者へ転嫁される部分もでてきます。

ボリュームディスカウントは卸にとってもありがたいものではあります。細かい注文をいくら受けていても儲かりません。安定して大量の注文を出してくれるお客様は何より大事です。売上も大きいため、利益率を落としても数を稼ぐためにはありがたいお客さまなのです。

しかし、規模が大きくなりすぎると厄介になります。もしその顧客を失ったら影響が大きすぎる、という場合です。

これはアマゾンがヤマトとの契約でトラブったケースを見ればわかります。ボリュームディスカウントを要求するアマゾンに対して業績が厳しくなり、価格でもめた件です。

今回のイオンの取引先も戦々恐々でしょう。イオンも儲かっていない、卸も儲からない、、、これを解消するには値上げになりなすが、それをやるためには規模が大きすぎるのかもしれません。地域でそれぞれの特徴を出したスーパーは頑張っていますが、これだけ大きくなってしまったビジネスで拠点ごとに特色を出して、値上げをする、あるいは店舗での付加価値を増やすということには限界があるのでしょう。

このようにボリュームディスカウントの話題を見ると、複雑な思いをいつもしてしまいます。


M&A実務を体系的に学びたい方は、M&A実務スキル養成講座


メルマガ登録はこちら

大原達朗の経営リテラシー-自ら考え、行動しよう-