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日立が3,500億円使って、北米のIT企業を買収するというニュースを見た違和感と、もしかすると「経営資源の再配分」というとても重要な機能を果たすのではという期待について書いてみました

日立が選択と集中を続けており、今度は北米の顧客基盤を持つIT企業を3,500億円程度の予算で買収したいということです。これをみてすぐに思いついた違和感が2つあります。

1)相手も決まっていないうちにアナウンスしても、パフォーマンスに過ぎないのでは?
2)選択と集中といっても、結局自社の都合なのではないか?

1つずつ整理していきます。

1)についてはパフォーマンスの面もあります。しかし、当然日立はターゲット企業の絞り込み、アプローチを進めているはずです。その中で自社の本気度を示すことは悪いことではありません。アプローチを受けている企業も日立の本気度を知ることができますし、まだ日立からアプローチを受けていない企業も自社でも日立への売却可能性があるのではないか、と検討するきっかけになるからです。
これは大企業だけでなくても、参考になるやりかたです。
会社としてどんなターゲットに対して、どんな予算で買収検討をしているのか、開示しつづけるのはとても大切です。

2)については、日立に限りません。
シナジーがない、たいして儲からない、将来の見えない企業は売却、期待を持てる企業を買収、結果日立がよくなっても、それって日立自社の都合で社会に対する好影響がなにのではないか、という疑問です。

投資家、株主は歓迎でしょう。自分たちの資本を使って効率よく稼ぎ配当が増え、株価があがれば言うことありません。一方で、そこで働く人達、日立グループを離れたり、待遇が変わったりしてしまうという負の側面も否定できません。

もっと大きい眼で見ると、日立が経営したほうがより成果を出せる会社を日立が経営し、そうでない会社は別の会社に経営してもらう。この結果、顧客や取引先、従業員の方々の待遇も改善できる、そしてこれができないと買い手が支払う多額の買収資金を回収できません。

こうした視点でみるとM&Aは

「経営資源の再配分」

の要素があるはずです。これを実現するには、買い手がどれだけ対象会社のビジネスを改善できるのか、伸ばせるのか、がいかに重要かということです。これは簡単なことではありません。自社で買収対象企業の絞り込みから、主体的に動くという程度のことができなければ実現は難しいでしょう。


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