M&Aのハウツー

M&A とジョイント・ベンチャー、ファンドレイジング

今回は”M&Aとジョイント・ベンチャー、ファンドレイジング” というタイトルで話をいたします。

はじめに、“ジョイント・ベンチャー”についてですが、ジョイント・ベンチャーとは“複数の企業が協力して、ビジネスを行う”ことです。
これがM&Aとどのような関係にあるかという事なのですが、M&Aで合弁会社を作ることによってジョイント・ベンチャーを実現します。この意味で、ジョイント・ベンチャーはM&Aより広い意味であり、M&Aにより、ジョイント・ベンチャーを実できる、という関係にあります。

具体的に説明します。ジョイント・ベンチャーとは“複数の企業が協力して、ビジネスを行う”ことなので、必ずしもM&Aが必要なわけではありません。いわゆる業務提携であれば、M&Aではありません。しかし、業務提携が進んでくるとお互いに出資をして会社を作ろうとするケースがあります。それをここでは合弁会社といっています。この合弁会社を作るときに、たとえばA社、B社が資本金としてお金を出すことが通常です、このように複数の会社がお金を出し合って作る会社のことを合弁会社といいますが、この合弁会社を使ってビジネスをするのが、ジョイント・ベンチャーの1つの形です。

たとえばM&Aを使わずともビジネスによる提携は可能です。例えば。A社が販売会社で、営業力が非常に強いとします。B社が自社の製品をA社に中心的に、あるいは独占的に販売委託をする、というのも業務提携です。

ジョイント・ベンチャーとは、比較的、多義語として使われます。建築業ではジョイント・ベンチャーを使って、複数の建築会社が共同してプロジェクトをする場合もあり、狭義ではこれをジョイント・ベンチャー(JV)といいます。一方でさきほど説明したように資本提携を含まない業務提携もジョイント・ベンチャーといいますので、その定義に留意してください。特に横文字は危ないです。人によって定義が異なる事が多いでの注意が必要です。

次に、ファンドレイジングについてです。ファンドレイジングとは、活動のための資金を集めることをいいます。したがって、これは営利企業にかぎらず、NPO法人や社会福祉法人のような例えばボランティアをやっているような組織でも活動資金が必要です。このような組織で活動資金を集めることもファンドレイジングです。もちろん、一般の企業で規模拡大のために資金を集めることもファンドレイジングになります。ですから、ファンドレイジングも非常に広い意味を持ちます。

次に、ファンドレイジングとM&Aの関係についてです。M&Aの1つの形態である新株発行によって、ファンドレイジングが可能になります。例えば、お金がほしい、という会社、ベンチャー企業があったとします。この企業がよいアイディアを持ち、資金の出し手がそのアイディアが面白い、これは儲かりそうだ、と感じればお金を出すことになりますが、そのときに実際に資金を出す手法が新株発行、ということになります。すでにその会社、ないしはベンチャー企業は存在していますので、誰かがすでに資金を出し、株主として存在します。この状態でさらに資金を出し、会社の資金を確保していこう。まさにファンドレイジングをしていこう、ということになります。

続いて新株発行について説明をしていきます。資金を欲しい企業があるとします。これを対象企業と呼ぶことにします。1つの手法は、既存の株主から資金を出してもらい、その対価として新株を発行する方法で、株主割当増資といいます。既存の株主以外からも広く、資金を集めようとした場合、例えばベンチャー・キャピタル、銀行、事業会社などからも資金を集めたいはずです。このように、既存の株主以外からも資金を出してもらい、その対価として新株を発行する方法を第三者割当増資といいます。この場合、第三者が資金を出すわけですから、既存の株主の会社への支配力を表す議決権比率は下がってしまいます。これは別に対策を考えなければいけない問題です。

ただし、この説明のように新株発行をしたからといって、M&Aにはなりません。M&Aと言われるのは、第三者割当増資によって、既存株主以外の第三者が、対象会社の株式の大半を買ってしまう場合です。そうすると、結果として既存株主以外の第三者が50%庁の株を持つことがあります。これはまさにM&Aであり、買収といってよいでしょう。50%超の株を持たず、20〜30%程度の議決権を持つパターンもありますが、これは資本提携、と通常呼びます。これを広義のM&Aと言っても良いと思います。

成長過程にある企業は資金が足りなくことがあります。この場合、大企業に買収されてしまうことも1つの選択肢です。また20〜30%程度の資金を外部からいれてもらって、上場を狙うというやり方もあります。出資者は上場した後に、自社の株を売却すればすごい利益がでます。たとえばエムスリーはその例です。もともとソネット・エムスリーです。ソニーグループが出資した会社でした。ソニーはエムスリーの上場によって、相当は利益を稼ぎ、本業が不振でソニー本体に資金が足りなくなってきたときにエムスリーの株を売却し、利益とキャッシュを得ました。

ファンドレイジング、資金調達、M&Aという言葉は少しずつ被る部分があります。しかし、こういった用語は使っている人によって、定義が異なることもあります。専門家に相談する際にも何か話が噛み合わないな、と感じた場合には、このビデオを参考にして、定義を確認しつつ話を進めていただければと思います。

本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。
                                                                                                                                                     
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