スペースXの評価額が8,000億ドルを視野に入れ、来年のIPOを予定しているとのことです。
この評価額は、前回の売り出し時の約2倍に相当します。8,000億ドルは日本円で約125兆円です。

スペースXはすでに衛星インターネットサービスなどを実用化しており、マスク氏によれば、2025年度の売上は155億ドル（約2.4兆円）に達すると見込まれています。実績が相当に積み上がっていることは間違いありません。

ただし、評価額8,000億ドルという水準については、さすがに高すぎるという見方が自然でしょう。スペースXの利益水準は明確ではありませんが、仮に純利益率を10％とすると、純利益は約15億ドルと推計されます。これを前提にPERを計算すると500倍以上になります。

一般的にPERの目安は15〜25倍程度（マーケットや業種によって異なる）であり、20倍であれば割高とみなされにくい水準です。評価額8,000億ドルでPER20倍を実現するには、純利益が400億ドル必要になります。純利益率が10％なら売上4,000億ドル、20％なら売上2,000億ドル規模が求められる計算です。

ここでは仮定値に基づく試算を行っていますが、投資家、特に出資を検討する方は、8,000億ドルという評価額の背後にはこれほど大きな成長期待が織り込まれていることを十分理解したうえで投資判断を行うべきだと思います。

SpaceX is reportedly targeting a valuation of 800 billion dollars and planning an IPO for next year.
This valuation is roughly double that of the company’s previous secondary sale. Eight hundred billion dollars corresponds to approximately 125 trillion yen.

SpaceX has already commercialized satellite-based internet services, and according to Musk, the company’s revenue is expected to reach 15.5 billion dollars (about 2.4 trillion yen) in fiscal year 2025. There is no doubt that the company has already built a substantial operational track record.

However, a valuation of 800 billion dollars is generally seen as extremely high. While SpaceX’s profitability is not publicly disclosed, assuming a net profit margin of 10%, the company’s net profit would be around 1.5 billion dollars. On that basis, the implied PER would exceed 500 times.

In most markets, a PER of around 15 to 25 is considered typical (with variations depending on sector), and even 20 times is not usually regarded as expensive. To justify a valuation of 800 billion dollars at a PER of 20, SpaceX would need net profit of 40 billion dollars. This would require revenue of roughly 400 billion dollars at a 10% net margin—or 200 billion dollars at a 20% margin.

These figures are, of course, hypothetical. However, anyone considering investing should clearly understand that a valuation of 800 billion dollars reflects extremely high expectations for SpaceX’s future performance.

大原達朗が行うBBT大学での講座
93%が満足と回答したファイナンスドリブンキャンプ
本講座では、短期間でCFO（最高財務責任者）への第１歩を踏み出すことを目指します。大量の決算書に触れ、大量にアウトプットし、大量のフィードバックを通してファイナンスという武器を手に入れられます。ブログでは話せない「ライブ講義」も充実しています。まずは無料説明会を受講してみて下さい。

本誌について
本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。