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経営者が知っておくべき居抜きとM&Aの違い(2018年3月15日改訂版)

居抜きとM&Aの違いといっても、私達にとっては当たり前ですが、はじめてお店の譲渡を考えられる方にとっては、簡単なものではないと思います。ぜひ以下のビデオ、書き起こしをご覧いただければと思います。

当社はM&Aの取扱業者ですから、居抜きは扱えませんが、お問い合わせいただいた場合には、できるかぎりよい方法をご提案させていただきます。しかし、その前にご自身が抱えていらっしゃる問題が、居抜きなのか、M&Aなのかをしっかり認識していただいたうえで、専門業者にお問い合わせをいただくほうが、皆様の問題解決に即繋がるはずです。

以下ではあらためて「居抜き」と「M&A」の違いをしっかり把握してみてください。

居抜きの場合は、居抜きを専門にあつかっている不動産業者、特に飲食店は居抜き物件を専門にあつかっている業者さまもいくつかありますので、そちらにお問い合わせされるのがよいと思います。

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こんにちは。

今日は「経営者が知っておくべき居抜きとM&Aの違い」について説明をします。

まず居抜きの定義です。ちょっと長いですが、読みます。

居抜きとは、設備や什器備品、家具などがついたままで売買または賃貸借されることです。
主に飲食店や旅館、店舗、工場などで、営業用設備や内装が付帯した状態での売買や賃貸をいいます。居抜きで購入したり、借りた人は、すでにある設備を利用することで初期費用を抑えることができ、早期に営業が開始できるという利点があります。居抜きでは、付帯設備の価値も含めて物件の価値が判断されます。

ということです。

飲食店、例えばラーメン屋さんが違うラーメン屋さんに変わったりすることは、時々皆さんもご覧になることがあるんじゃないかなと思います。ご存知だと思いますが、お店を借りて返す時というのは、原状回復義務というのがありますから、借りた時の状態に戻さないといけません。

例えばラーメン屋さんの内装って、結構水周りから何から大変なわけですよ。スケルトン、要するにコンクリート剥き出しのような状態で借りたような場合って、返す時はその状態に戻さないといけないんですね。そうすると、結構お金もかかるし、時間もかかります。飲食店に適している立地というのは、やはり次も飲食店が入りたいということも多いわけなので、一旦コンクリート剥き出しの状態にして、もう一回次に入る方が工事をしてお金をかけてやっていくということになると、借りたい方も時間もお金もかかるじゃないですか。ついでに言うと、家主、大家さんも、工事している間や工事が終わって次の借り手を募集する間、家賃を取れない期間もあるわけです。できるだけ早く前の方に出て行ってもらって、次の方に入ってもらうというのが大家さんにとってはいいことなのであって、居抜きをすると、ラーメン屋さんの基本的な設備というのは残したまま工事をせず、前の方が出て行って、極端に言うと次の日から新しい人が入ってきて内装をちょっと変えてラーメン屋をやるということになります。大家さんも賃料がとれない期間が非常に短くなりますし、出て行く方にとっても、原状回復といってスケルトンの状態に戻すこともなくなりますし、新たに借りる方も水周りから何から工事をしなくていいので、お金もかからないし、早く済むというメリットがありますので、結構設備にお金がかかる飲食店というのは居抜きというのは多いです。

これが居抜きの定義です。HOME’sさんのwebサイトから使わせて頂いています。

次に、居抜きとM&Aの違いです。

先ほど、賃貸借契約と備品を引き継ぎが、居抜きだと申し上げましたけれども、M&Aはそれだけではなくて、スタッフとか取引先との契約なども引き継ぎます。これが一番大きな違いです。M&Aの場合というのは、店舗の設備や店舗の契約だけではなくて、商売そのものを引き継ぐというところに大きな差があります。

居抜きの場合、設備は引き継ぎますけれども、お店としては一旦終わった状態になりますので、売上を作ろうと思ったら、新しくお店を始める方が新たにお客さんを集めていかなければならないということになります。

M&Aの場合というのは、もともとやっているお店であれば、そのお店はそのまま経営を引き継げますので、AさんがBさんにそのお店を売ったとしても売上はそのまま続いていきます。お客さんも続いていくし、基本的には従業員や取引先なんかも前と同様に続いていくという点に大きな違いがあります。

それをまとめてみます。

居抜きとM&Aの違いのまとめということですけれども、譲渡人と一番上の行にあるのは、出て行く方ですね。出て行く方のメリットとして、原状回復義務を実質負わずに済む。やめるのであれば、一旦工事をしてそのお金を払って借りた時の状態に戻してお返しをしなくてはいけないんですけれども、その工事をする必要がなくなるわけですね。なぜかというと、新たに入る方は、例えばそのラーメン屋の設備を欲しいと思っているわけですから。

M&Aの場合はどうなのかというと、取引先とかスタッフも引き渡しできるんですよ。お店をたたむということを前提にすると、居抜きであれば原状回復義務を負うことはなくなりますが、スタッフの方とかの面倒は見ることが必要になりますよね。お店をたたんでしまうわけなので、場合によっては、正社員の方などの就職の斡旋というところまでやっていく必要があることもあるかと思います。しかし、M&Aというのは、スタッフの方なども全部譲受人と表記されている、買ってくれる方にそのまま引き継ぐことが通常ですので、取引先やスタッフも引き渡す、ビジネスそのものを引き渡すことができるというメリットがあります。

譲受人、これは買う方ですけれども、居抜きの場合、投資額が減ります。ゼロの状態から、水周りから何から工事をしなければいけない状態ではなくて、例えばラーメン屋なら、ラーメン屋の基本的な設備はもうあるわけです。そこをゼロからきれいに改装したり、自分の好みの店舗にしたりするのに多少時間やお金はかかるとしても、ゼロからやるわけではないですよね。

M&Aの場合は、店舗の設備とか契約だけではなくて、取引先やスタッフといったものも全て引き継ぐというご説明をしましたので、譲り受けた後もすぐにビジネスを開始することができます。居抜きの場合はどうしても多少改装したりとか、ビジネス自体ははじめからやらないといけないので、スタッフを採用したりとか、彼らのトレーニングをしたりとかいう手間はどうしてもかかりますけれども、M&Aの場合はすぐにビジネスが開始できるというか、ビジネスが続いた状態で譲渡が行われるというふうに考えてもいいと思います。

譲渡価格は、居抜きの場合は基本的にはゼロ評価、あるいはゼロとは限りませんけれども、そんなに高い金額はつかないです。むしろ、本来だったら壊さなきゃいけないもの、壊さなきゃいけないけれどもお金がかかるものに対して居抜きが行われると、原状回復をする必要がなくなるということでメリットはあるんですよね。200万円かけてお店を借りた状態に戻さなきゃいけないという必要があるものが、200万円かからずにそのまま出て行くことができるというメリットがあるという意味ではゼロ評価、多少設備にいくらかの評価がつくという場合もありますけれども、通常そんなに高い評価にはなりません。

一方、M&Aの場合は、ちょっと強調してありますけれども、業績次第、要するにすごく儲かっている会社とかお店であれば、その譲渡金額というのは非常に高くなる可能性があります。今の業績があまり良くないと、M&Aという形になったとしてもそんなに高くならないというケースがあります。で、多額になる可能性はもちろんM&Aの方が高いんですけれども、業績次第だというふうに考えていただければいいのかなというふうに思います。

では、居抜きで借りてくれる先を探しましょうとか、M&Aで買ってくれる先を探しましょうとかいった場合にどこに依頼をすればいいのかというと、居抜きの場合は完全に不動産の賃貸の仲介になりますから、基本的には不動産の業者の方に依頼することになります。店舗の居抜きの場合は、専門にやっている業者の方がいらっしゃるので基本的にはそちらに依頼されるのがよろしいかと思います。

M&Aの場合というのは、ビジネスそのものということになるので、不動産の契約も当然その範囲に入ってきますけれども、基本的にはビジネスそのものを売買するという形になってきますので、不動産業者さんというよりは、M&Aを専門にやっているM&Aアドバイザーに依頼するという形になります。

居抜きとM&Aというのは、不動産業者であったり、我々のようなM&Aの業者からすると、当たり前に違うことと思いがちなんですけれども、ゼロから会社あるいはお店の譲渡を考える方にとってみると、非常に分かりにくい部分でもあるかなと思っておりますので、今日は改めてご説明をいたしました。

今日の説明は以上になります。

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