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ユニクロが旗艦店を倍増する本当の理由

ユニクロが旗艦店を倍増する本当の理由

店舗を増やすのではなく、ECへ顧客を移すのか

ユニクロが国内の出店戦略を見直します。商業施設や郊外の幹線道路沿いに展開してきた通常店を抑え、都市部の旗艦店を10年以内に現在の約10店から約20店へ増やす方針です。

記事だけを読むと、ユニクロが大型店の出店を強化するようにも見えます。しかし、私はむしろ、店舗販売からEC販売への移行を進めるための戦略ではないかと考えています。

これまでのユニクロは、標準化された店舗を大量に出店し、標準化された商品を販売することで成長してきました。店舗数が増えれば、売上も増えるというチェーンストア型のモデルです。

しかし、人口減少が進み、ECが普及した現在、このモデルには限界があります。

たとえば、アンダーウエア、靴下、定番のTシャツなどは、一度購入してサイズや品質を確認すれば、次回から店舗に行かなくても購入できます。リピート客であれば、ECで十分に対応できる可能性があります。

また、特大サイズや小さいサイズ、店舗では在庫が少ない色や商品も、ECの方が品ぞろえを確保しやすいでしょう。店舗にすべての商品を並べるより、オンラインで幅広く販売し、物流で届ける方が合理的です。

そう考えると、店舗の役割は少しずつ変わっているように見えます。商品を購入する場所だけでなく、新規顧客にブランドを知ってもらい、商品を試し、ユニクロの世界観を体験してもらう場所です。

旗艦店では、地域限定商品や刺しゅうサービス、デジタルサイネージなどを通じて、通常店とは異なる顧客体験を提供できます。そこで初めて商品を購入した顧客が、その後はECでリピート購入するという流れも考えられます。

このようなモデルを先行して実現しているのが、ヨドバシカメラではないでしょうか。

ヨドバシは店舗数が限られているため、店舗にすべての商品を並べる必要がありません。店舗で実物を確認し、購入はECで行う。店舗受け取りや返品にも対応する。豊富な品ぞろえは、店舗面積ではなく、在庫データと物流網によって実現しています。

ユニクロも、これに近い方向へ進もうとしているのではないかと思います。

もっとも、ユニクロにはこれまで大量出店してきた既存店舗網があります。2026年5月末時点の国内店舗数は785店で、ピーク時の約850店からは減少していますが、依然として大きな店舗網です。

今後は、店舗を一律に残すか閉鎖するかではなく、それぞれの店舗にどのような役割を持たせるかが重要になるでしょう。

旗艦店はブランド発信と新規顧客の獲得、通常店は試着や返品、商品受け取り、地域の顧客接点、ECはリピート購入と豊富なサイズ・色の商品販売を担う。店舗在庫をEC配送に活用することも考えられます。

ただし、旗艦店を増やせば成功するとは限りません。家賃や内装費、人件費が増えるため、ブランド発信という言葉だけで高コストを正当化すれば、単なる大型店舗化に終わる可能性もあります。

旗艦店への来店がEC購入につながったのか、購入頻度や顧客単価が高まったのか。店舗単体の売上だけでなく、顧客との関係全体で効果を検証する必要があります。

ユニクロの旗艦店倍増は、表面的には出店強化に見えます。しかし私は、店舗数を増やして販売量を拡大するというより、店舗をブランドとの接点として活用し、その後の購入をECへ移していく構想ではないかと考えています。

ヨドバシが先行してきたような、店舗とECの役割分担に、ユニクロも本格的に近づこうとしているのかもしれません。

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