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IPOするために必要な5つのポイント

 上場会社の件数が3900から3500に減ってきていると申し上げましたが、その理由は、新規に上場するところが少なくなったことと、上場するのが嫌だからどこからかお金を持ってきて上場廃止をする会社があるというのもあります。中には、景気が悪いので上場会社であるのにつぶれてしまったという会社ももちろんあります。あとは統廃合です。グループ内の統廃合はまだまだ続いていますし、グループ外の統廃合も続いています。百貨店のグループはみんな一緒になってしまいましたね。三越、伊勢丹、他もみんな一緒になってしまいました。もともと上場している会社同士が一緒になってしまって、普通はホールディングス、持株会社を作って下に事業会社をぶら下げるような形が多いのですが、どちらにしても上場していた2社が一緒になってしまうと一つの会社になってしまいますので、これによっても上場会社の数は減っていくということです。その背景には、上場していると面倒くさいことを要求されるので、コストは掛かるし面倒であるし、戦略的にも自分の会社で秘密にしておきたいことを開示しなくてはならない。こういうことで、上場は徐々にハードルが高くなっているのかなと思います。嫌がられているわけではないのでしょうが、やりたいと思ってもやっていくのが結構大変になってきているのかなあというのが現状かと思っています。

 IPOの現状を大まかにお伝えしました。次にIPOをしたいと思ったら何が必要かというところに入ります。今までのところで何かご質問ありますか。よろしいですか。では、次のパートに行きたいと思います。

 IPOをするために必要な五つのポイントです。利益はいくら必要だと思いますか。もちろん東証のマザーズができましたので、赤字でも上場はできますし、今でもできます。日本の話ではありませんが、Twitterは明らかに大赤字でしたが上場していますし、株価は当初想定の70パーセント以上高くついていますので、できるのです。とは言っても、Twitterのような会社はかなり特殊な会社なので、アメリカでもあのような上場会社が次から次へと出てくるわけではありません。あそこまでの特徴がないような会社、いわゆる普通の会社が上場するときに、最低いくらぐらい利益は必要なのか。いくらぐらいだと思いますか。先ほど上場維持コストが最低1億円ぐらい掛かると申し上げましたので、これは参考になるかなと思います。1億円はきっと超えているはずですね。一般論ですよ。もちろんそれを超えてなくて、赤字でも上場しているところもあります。

-- 維持コストを引く前の利益がいくらかということですか。

大原 そうです。最低のマーケットです。東証1部となったらまた全然違いますので。上場は全部考えていただいて結構です。

-- 5億円から30億円。

大原 5億円から30億円。ちょっと幅があり過ぎますね。

-- 10億円ぐらい。

大原 10億円ぐらい。何で10億円だと思いますか。

-- 審査の基準が5億円から10億円。

大原 5億円から10億円。強いて言えば10億円ですね。他は、いくらぐらいでしょうか。

-- 2億円ぐらい。

大原 2億円ぐらい。

-- 2億円から3億円。

大原 2億円から3億円。今の上場審査の基準はあるのですが、別に赤字でもNGではないので、かつて、いくらぐらいで上場の最低の利益と言われていたかというと、経常利益で2億円ぐらいです。でも2億円ですと、1億円は上場コストで掛かっちゃいますから、半分になってしまいますので、実際は2億円ではできません。上場する意味が何もないと考えてしまいますので、実質上はできません。ではどれくらいあればとなりますと、先ほどおっしゃっていただいた通りだと思います。税前の利益で10億円以上は稼ぐ必要があります。もちろん増減がありますので実力値です。毎年、毎年10億円稼げるか分かりませんが、少なくとも平均して10億円ぐらい稼げる力がないとなかなか難しいです。1億円は放っておいても捨てなくてはならないですから。捨てるという言い方は少し厳しいですが。それぐらいあると、上場のメリットを取れる可能性は十分あります。そこまでいかないと、結構苦しいです。利益が2億円と言われていて、今でも頑張って2億円の利益で上場できないかというと、できないわけではありませんが、それで上場した途端に1億円掛かっていたらという話なので。それから、上場するためにもコストが掛かります。上場の準備をしているときは、コストはさらに掛かります。この後でご説明しますが、上場すると3カ月に1回四半期報告書を出して、年に1回有価証券報告書を出さなければなりません。これも結構面倒くさい話です。上場する前というのは、それを初めて作らなくてはなりません。有価証券届出書というものを初めて作らなければなりません。上場すると毎年、毎年作っていくので、全部ゼロから作るわけではありません。前期のものを流用して、数字を変えたり文章を変えたりということができるのですが、ゼロから作らなければならないとなると、これは結構大変です。上場申請には一の部と二の部というのがあります。一の部というのは、財務数字を出しているものなので、ほとんど有価証券報告書と一緒です。上場したら、毎年情報を出し続けていくものです。二の部というのが結構面倒くさくて、会社の業務フローを書き、上場した後は出す必要がないような情報を、結構力をかけてまとめて提出をしなければなりません。毎年上場維持コストが1億円だとしても、上場するためにはもっとお金がかかるというケースが多いです。ですから、例えばそれが2億円3億円掛かるとして、利益が2億円3億円しかなかったら上場直前期に赤字になってしまいます。本当は2億円稼ぐ力がある会社が赤字になって上場するというのは、普通やらないですし考えにくいことです。そういう状況なのかなと思っております。


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