IPOを実現したいスタートアップ経営者のためのセミナー

高まるIPO(株式上場)のハードルとその理由

 きょうはお集まりいただきまして、ありがとうございます。「IPOを実現したいスタートアップ経営者のためのセミナー」ということで1時間と少し、9時までのセミナーになります。8時から8時半くらいまでは、準備させていただきましたレジュメに基づいてお話を申し上げます。その後、質疑応答などをいただく時間を設けてございますので、そちらのほうで質疑応答をいただければと思っております。よろしくお願いします。
 きょう講師をさせていただきます大原です。よろしくお願いします。

高くなっていくIPOへのハードル

 この先、スライドをいくつか用意しておりますが、IPOに対するハードルというのは高くなっています。後半のほうで統計を見ていただくことになりますが、まず日本の新規上場企業は年間に何件ぐらいあるのかというお話です。一番多いときは年間200件ぐらい上場していました。営業日で言うと、土日祝日を除くと230日ぐらいのはずですので、1日に1社ぐらい上場していた時期がかつてありました。いわゆるITバブルと言われていた時期です。最近どうなのかといいますと、少し盛り返してはきています。しかし年間50件ぐらいです。つまり4分の1に減ってきているということです。
 新規の上場会社は、今申し上げた通りの数字ですが、かつての上場会社というのはずっとストックしてきていますので、現在上場会社が日本で何社あるのかといいますと約3500社です。これも最大のときは3900社ぐらいになっていましたから、400社ぐらい減ってきています。約10パーセント減っているわけですが、400社も上場会社が減ってしまった理由は何だと思われますか。思いつく方はおっしゃっていただけますか。

-- 内部統制対応が大変だとか。

大原 内部統制対応が大変であると減ってしまいますか。面倒くさいから、結果として新規上場の会社がだんだん減っていく。それもあるかもしれません。他に何かありますか。

-- MBO。

大原 MBOとは何ですか。

-- Management Buyoutですね。経営者が株を買い集めて上場廃止するという方法です。

MBOはどうしてするのでしょうか。おっしゃる通りMBOとはManagement Buyoutの略で、経営者が株を買うということなのですが、経営者が株を買い集めると、なぜ上場を廃止しなければならないのでしょうか。MBOイコール上場の廃止とは限りません。MBOというのは、あくまで経営者が自分の会社の株を買うと言っているだけの話です。MBOイコール上場の廃止ではありません。そこの関係を皆さんに考えていただけるとよろしいかなと思います。

 Management Buyoutを行うと、なぜ上場会社の数が減ってしまうのか、という話です。なぜだと思われますか。これは意外と難しいのです。MBOをした結果、IPOをする会社が減ってしまうと言うのは簡単なのですが、実は多くの方がその仕組みを分かっていません。どうして新規上場の数が減っていて、この先どうなっていくのかというところが、意外と分かりづらいです。ですから、皆さんにこの先もいろいろご質問させていただきつつ、皆さんには「分からないだろう」と脅迫するためにここに来ていただいているのではありませんので、しっかり分かっていただいて、IPOを考えていたところを考え直すにせよ、あるいは、突き進んで行こうと意思決定するにせよ、この先IPOを考える姿勢に少しでもためになる情報を提供していきたいと思っております。

 MBOはManagement Buyout経営者が株を買うことです。直近の例で言いますと、メジャーな会社ではすかいらーくがMBOの典型例です。すかいらーくはご存じの通りファミリーレストランのチェーンで、上場していました。上場していましたが、上場廃止をしたかったのです。まずここの、なぜ上場廃止をしたくなったのかというところが一つのポイントです。すかいらーくはいったん上場廃止をしたいと思いました。それには、株を買い集めれば良いわけです。上場株というのは、市場を通していろいろな方が株を持っておられますので、それらの人から株を買い集めれば良いわけです。

極端な話、100パーセント自分のところで株を持っていたならば、上場している意味はありません。上場しているのは何のためなのか。いろいろ理由はありますが、株を第三者に買ってもらうために上場をするわけです。その副次的な効果として、上場会社だと言える、あるいはいろいろなところに露出できるので会社の知名度や信用度が上がるということがあります。上場は株式を第三者に買ってもらうためにあるわけです。ですから、株を買い集めてしまえば、上場する必要がありません。ついでに申し上げますと、流動株と言いますが、大株主があまりにも株を持ちすぎていると、市場に回る株式が少なくなります。そうすると上場できません。結果としてMBOで上場をしたくなくなった、上場を廃止したいと思ったら株を買い集める。大半の株を自分たちで、あるいは自分の仲間たちが持つことになった。流動株はない。そうすると上場廃止になるわけです。結果として、MBOが増えてきたので、上場会社の数が減ってきたというのは正しいのです。

本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。
                                                                                                                                                     
M&A仲介・アドバイザーを事業としたい方・既にされている方へ
セミナー・サービス名詳細金額時間
誰にでもわかるM&A入門セミナー会場開催の詳細とお申込み

オンライン講座の視聴
無料2時間
M&A実務スキル養成講座会場開催の詳細とお申込み

オンライン開催の詳細とお申込み
M&A実務スキルの詳細
198,000円2日間
JMAA認定M&Aアドイザー資格取得およびJMAA会員に入会資格詳細とお申し込み入会金33,000円
月会費11,000円(1年分一括払)
-
案件サポート制度JMAA会員が初めてM&Aアドバイザリー業務に取り組む場合、あるいはすでに何度かアドバイザリー業務に経験があっても、難易度が高い案件の場合のための、JMAA協会が会員に伴走して案件成約に向けて協力する制度です。 お申し込みは当協会ご入会後にお知らせします。JMAA正会員の関与する対象案件の成功報酬の50%-
買収を検討されている企業団体様へ
セミナー・サービス名詳細金額時間
誰にでもわかるM&A入門セミナー会場開催の詳細とお申込み

オンライン講座の視聴
無料2時間
M&A実務スキル養成講座会場開催の詳細とお申込み
オンライン開催の詳細とお申込み

M&A実務スキルの詳細
198,000円2日間
買い手様向けセカンドオピニオンサービスM&Aセカンドオピニオンサービスの詳細 33,000円
追加相談サービス 33,000円/1時間
1時間〜
売却を検討されている企業団体様へ
セミナー・サービス名詳細金額時間
誰にでもわかるM&A入門セミナー会場開催の詳細とお申込み

オンライン講座の視聴
無料2時間
M&A実務スキル養成講座会場開催の詳細とお申込み

オンライン開催の詳細とお申込み

M&A実務スキルの詳細
198,000円2日間
売り手様向けセカンドオピニオンサービスM&Aセカンドオピニオンサービスの詳細 33,000円1時間〜

M&A実務を体系的に学びたい方は、M&A実務スキル養成講座


メルマガ登録はこちら

大原達朗の経営リテラシー-自ら考え、行動しよう-