JTのリストラ報道でコロナで攻められるたばこの次という記事について、現状を把握してみました。

JTが大幅リストラをしているということです。加熱式タバコ以外の収益の柱が必要だ、という内容です。
大規模リストラのJT、コロナで迫られるたばこの次:日本経済新聞 https://t.co/ZAON7cj1uN
— 大原 達朗 Tatsuaki Ohara (@ohhara_cpa) February 17, 2021
JTについては、M&A巧者としていつも紹介している企業で、そこまで業績が悪化しているのか、気になりました。
2020年12月期の業績を見てみましたが(https://www.jti.co.jp/investors/library/result/pdf/20210209_01.pdf)、コロナの影響はあるものの、赤字転落とはほど遠い状態です。
ではタバコ以外のビジネスがどうなっているのかというと、セグメント情報を見ておく必要があります。↑の決算短信から引用します。
***以下、引用***
***引用、ここまで***
売上も利益もほぼたばこ事業、そして海外依存が明らかです。医薬、加工食品もありますが、たばこと比較するとその他一部、という位置づけです。JTはたばこ業本業で海外M&Aを継続してきました。そして国内需要の先細りが目に見えているなかで業績に余裕のあるなかで、早期退職制度などを利用、退職される方に割増退職金などを負担しているのであれば、悪いことではありません。業績が悪化してからでは、十分な補償ができないことも多いからです。
それではこれからたばこ以外のビジネスをたばこのサイズでやれるのか、というと可能性はゼロではないと思いますが、もともとの国営会社であり、いまだ国が33.5%の株を持つ(https://www.jti.co.jp/investors/stock/overview/index.html)企業です。赤字続きの見込みになるのであれば、その時点で清算し、配当、十分な退職金を支払うという形で身ぎれいにしてしまうというのも手です。
余剰資金の一部で、新規事業を始めるというものありでしょう。企業が永続するというのは、私は真実ではないと思っています。企業という箱の中身が入れ替わり、結果として長く続いている企業もある、というのが正しいでしょう。
継続前提だけではなく、いったんやめる、という選択肢も常に真剣に考えるべきです。
とはいえ、JTはまだまだまだその状況にあるとは思えません。

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