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2021年1月のM&A、21件減の53件

2021年1月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月を21件下回る53件となり、1月として2016年以来5年ぶりに減少した。前月(2020年12月)比では25件減った。新型コロナウイルス感染拡大の第3波で年明けに緊急事態宣言が再度発令され、M&A取引にも最終合意を控えた段階での作業遅延などの形で影響が及んだ可能性がある。

全上場企業に義務づけられた東証適時開示情報のうち、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、M&A仲介のストライク(M&A Online編集部)が集計した。

2020年のM&A件数は849件を数え、過去10年で最多だった2019年(853件)に迫った。新型コロナの影響で海外案件が低調に推移しながらも、国内案件が補い、最終的に高水準を維持した。こうした中、2021年を占ううえで1月の動向が注目されていた。

例年は年の始まりである1月の件数はさほど多いわけではないが、前年はコロナ禍の前だったことに加え、今年は再度の緊急事態宣言が重なり、落ち込みが増幅したと見られる。
 
1月の取引金額は約3870億円で、前年同月(2484億円)を1400億円近く上回った。
ただ、ブリヂストンが屋根材製造の米子会社ファイアストン・ビルディング・プロダクツをスイス建材メーカーのラファージュホルシムに約3500億円(約34億ドル)で売却する案件が大部分を占め、これ以外に100億円を超えるのは帝人によるTOB(株式公開買い付け)の1件だけ。100億円未満~10億円超の案件も5件にとどまり、全体として金額面でも低調だった。

ブリヂストンは建材事業について、主力のタイヤ・ゴム事業との相乗効果が乏しいことなどから売却に動いた。売却完了は今年上期を見込む。売却益として約2000億円を計上する。

技術者派遣大手のビーネックスグループ(東証1)と夢真ホールディングス(ジャスダック)は2021年4月に合併すると発表した。ビーネックスは機械・電機・電子系、夢真は建設(施工管理)系を主力とし、顧客の重複がほとんどなく、統合効果が大きいと判断した。

一方、AGCとセントラル硝子は2019年12月に基本合意して協議を進めてきた国内建築用ガラスの事業統合を白紙に戻した。2020年12月中の統合完了を目指していたが、条件面で最終的に折り合えなかった。

1月の取引金額上位(10億円超)の案件は次の通り。
1 ブリヂストン 米国建材子会社ファイアストン・ビルディング・プロダクツをスイス企業に売却 約3500億円
2 帝人 再生医療製品開発のジャパン・ティッシュ・エンジニアリングをTOBで子会社化 216億円
3 オリンパス オランダの医療機器メーカー、クエスト・フォトニック・デバイセズを子会社化 46億円
4 オーテック 放射冷暖房システム設計・施工のインターセントラル(東京都中央区)を子会社化 35.7億円
5 東京エネシス 日立プラントコンストラクション(東京都豊島区)の火力発電設備設計・施工事業を取得 22億~28億円
6 アイカ工業 台湾DSMコーティング・レジンのUV(紫外線)硬化型コーティング剤事業を取得 14.3億円
7 ビーネックスグループ システム開発のアロートラストシステムズ(大阪市)を傘下に置く持ち株会社を子会社化 13.7億円


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