4.清涼飲料水の事例で考えるPL
次は、少し具体的にPLを見ていきたいと思います。例として清涼飲料水、ジュースの類いを売るようなビジネスをしているという会社で、先ほどひな形というか、ベーシックな形として上げたPL損益計算書の各項目にどんなものが考えられるかというところを、少しご説明していきたいと思います。
例えば、ペットボトル1本を売るというビジネスを考えた場合にペットボトル1本150円で売ったとすれば、その150円が、これが売り上げになるわけです。そのペットボトル、ここでは、仕入れとなっていますが、1本売るのに工場で作ったら採算が合わないので、普通はどこからか仕入れてくることになると思いますけれども、例えば、1本、100円で仕入れをしてきましたということであれば、100円で仕入れた、これが100円が売上原価になります。それを、150円で売ったということになりますので、売上高150円。そのペットボトルを仕入れるのに、売上原価として100円掛かりました。その差額50円が売り上げ総利益となるわけです。
ペットボトル1本を仕入れて販売するのであれば、それで終わってしまうと思うのですけれども、通常、そういうビジネスは考えられなくて、組織でビジネスをしているという前提で言うと、ペットボトルを例えば、何十万本とか何百万本売っていくという中には、営業に係るような営業マン、あるいは営業部門がそもそも必要でしょうし、営業所も必要になってくると思いますし、販売促進もしていかなければいけない。もろもろのコストが掛かっていくわけです。当然、管理部門も必要になってくると。そういうところに掛かっていくコストは一体何なのですか、ざっとまとめましたけれども、営業に係る人件費とか、その他もろもろのコスト。エネルギー費用ですね。
あとは、役員の人件費などというのは、一般的管理費の中に入ってくるケースが多いです。あとは、本社、あるいは工場で建物を持っています。 特に本社、管理にかかわっているような建物とか、その他もろもろに関する減価償却というのは、この一般管理費の中に入ってきます。その他管理費です。間接部門に係るコスト、その他もろもろです。ビジネスとしていくために、どうしても負担しなければいけないコストだと思ってください。物を作るだけでは売れないということです。
そういったビジネスをやっていくためには、どうしても負担しなければいけないコストである販売費および一般管理費を引いて営業利益が出てきます。その営業利益というのは、要は、清涼飲料水のビジネスでもうけた稼ぎなわけです。
では、営業外収益とか営業外費用はどんなものがあるのかというと、先ほどもご説明した預金の利息が営業外収益の例として考えられますし、お金を借りてビジネスをしているとすれば、それに対しての支払利息、これが、営業費用の中に入ってきます。
仮になのですけれども、余っている営業所なり、部屋なり物件があって、それを、副業として貸し出しをしていますというケースも考えられなくないです。そういうような副業。本来、本業は清涼飲料水の販売なのですけれども、副業としてちょっと、かつて手に入れた、余っている不動産があるので、これを貸しているビジネスもやっていますねと。これは本業ではないので、売り上げではなくて、この不動産賃貸料で収入を得ているとして、その賃貸料収入というのは、営業外収益に入ってきますし、その物件を維持するために、あるいは管理をするためにコストが掛かっているはずなので、その不動産賃貸料に係るコストというのは、営業外費用の中に入ってきます。となると、このビジネスで出てくる経常利益というのは、清涼飲料水のビジネス、ここの例で言うと、不動産賃貸料ですけれども、それと金融機関とのやりとりです。利息も負担した後の稼ぎだということになります。通常は、ここで、大体終わりです。ただし、特別利益として持っている株を売ったと。それで利益が出ましたと。そういう取引は清涼飲料水の販売をメーンにしているビジネスで、めったに起きることではないので、特別利益というところにあげます。
特別損失で、例えば、業績が悪かったので、ことしはリストラしましたと。それに対して、かなりのコストが掛かりました。そういうようなリストラというのが毎年毎年起きる会社というのはめったにないわけなので、臨時ですね、たまにしか起きない。特別なものだということで、特別損失と。
あとは、減損損失、固定資産を減損するということはありますけれども、固定資産の減損損失なんかも、この特別損失の中に入ってきます。
固定資産の減損損失というところを、少しだけの追加でご説明すると、固定資産というのは投資をしているわけです。例えば、あるお店を作るために1億円掛けましたと。ある工場を造るのに1000億円掛けましたと。その掛かったコストというのは、いったんBSの固定資産の中に乗っているわけです。
ですから、少なくともBS上1000億円の価値がある、あるいは1億円の価値があると言っているわけです。もちろん、建てたときには、それだけの価値があったはずなのですけれども、建ててから2年たちましたと。この固定資産の減損会計というのが導入されたきっかけは、半導体の製造設備だったのです。半導体を作る製造設備とか工場はものすごい金額、コストが掛かるわけです。1000億円以上の単位で工場を建てなければいけないケースもたくさんあるのです。ただし、技術革新が異常に早くて、1000億円の工場を建てましたと。2年後にはほとんど1円の価値もありません。なぜならば、そのラインで作れるような製品というのは、赤字じゃないと販売できないと。こういうようなケースもあって、1000億円の価値、1000億円投資したけれども、BSに1000億円乗せてはいけない。1000億円の価値なんてうちの会社の資産として認められませんねと、もう、価値がほとんどありませんというような状況があったのです。
それに対応するために、もはや、1000億円の価値など、とてもではないがないと、極端に言うと、1億円、場合によって、100億円の価値しかないよねということであれば、いったん一気に1000億円から100億円、あるいは1億円に固定資産を減らすのです。そのためには、損失をどこかで出さなくてはいけなくて、その損失のことを減損損失といっています。
これが、店舗系のビジネスですと、減損損失は毎年出てくるのです。いかにいい例えば、フランチャイズのチェーンを持っているとしても、日本全世界の中で全部が黒字ということはなくて、不採算定というのは、多少なりともあるのですね。その、不採算定というのをつぶしていって、再算定を作っていくと、スクラップ・アンド・ビルドですけれども、その形というのは、どうしても一定規模以上店舗を持っていると、取らざるを得ないわけです。すると減損損失というのが、毎年毎年出てくるようないい企業もあるということです。
毎年出てくる減損損失が、本当は臨時多額である、特別損失に入ってくるというのは、変なのですね。
これは、先ほど申し上げましたが、国際財務報告会計基準、IFRSなんかでは、特別損失ないんです。どこに入っているかというと、この販間費とか、原価の中に、この減損損失というのが入ってくるわけなのです。それは、毎年毎年ビジネスをしていくためには負担しておかなければいけないコストなわけです。ですから、彼らは上に持っていくというのですか、特別損失にあるものを、販間費で入れたり、売上原価に入れたりするのを、上に持っていくという表現するのですけれども、上に持っていったりします。
日本の会社の場合というのは、少しでも営業利益とか経常利益をよく見せたいので、本当は原価で処理をしなければいけないのを、販間費で処理をしなければいけないようなものというのを、下におろすというのですけれども、特別損失に持っていって、見た目の利益をよく見せようとするインセンティブが働きがちです。
この後、特別利益特別損失でいつかなくなってしまうので、そういうような不毛な作業というのは将来的にはなくなってくるのかなというところです。
そのような、特別利益とか特別損失を差っ引いた税金等調整前当期純益というのは、税金負担前の課税金。それを、利益が出ていれば、当然税金を負担しなければいけないですので、税金を負担して、この清涼飲料水の販売をしている会社、例えば、A社ということであればA社が一体、ことし幾らもうかったのですかという最終の稼ぎが当期純利益という形になります。
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