経営者のための実践ファイナンス

DCF法の重要テーマである割引計算について

 続いてDCF法の肝となる割引計算に入っていきたいと思います。割引計算は一体何なのかとよく言われるのですけれども、まず、意味合いを理解していただかないといけないかなと思います。簡単な例を入れています。割引計算を考える場合に、まず今のお金の価値と1年後、2年後のお金の価値が同じなのか、違うのかというところを理解していただきたいのです。

 一般の方からすれば、今100円持っていますと、何もせずに、1年、2年時がたっても100円の価値は100円じゃないかと思われると思うのです。それは、正しいのですが、このファイナンスの世界では、そういう一般的な方は相手にしていないのです。言い方が大変失礼なのですけれども、どういうことかというと、例えば、10パーセント利息が付く安全な投資案件があれば、あるいは定期預金だと思っていただいて、今そんなに利息は付かないので、非現実的ですけれども、銀行に預けて、その銀行もまずつぶれないだろうと。メガバンクでつぶれないだろうと、10パーセントの利息が付きますというところであれば、ファイナンスの世界では預けることが前提なのです。預けないやつは、もうやめておきなさいと。絶対に預けるという合理的な経済人というふうに言っているのですけれども、そういう人をモデルとしています。なので、仮に10パーセントの利息が付く場合、1年後には、10パーセント増えて110に絶対なっているでしょうと。この110は、また福利で10パーセントで回せば、2年後には121円に増えているでしょうと。それが、合理的な経済人というものではないですかと。少し勉強した人だったら、それくらいやるという、極めて、かわいくない人をファイナンスの世界では前提としているのです。

 では、ここから、逆算をするわけです。1年後の100円というのは、今の価値に直すと、一体幾らなのですかと。10パーセントの利息ですから、この問題を解けばいいわけですね。100対110イコール、X対100。これは、1.1で割ればいいわけですけれども、2年後は、10パーセントの利息は複利できていますから、1.1の二乗です。1.1掛ける1.1の価値になってますね。100掛ける1.1掛ける1.1は121になっていますから、その1.21で割り返せばいいわけです。計算すると、100を1.1で割ると、90.9になります。2年後の100円を1.21で割り返すと、82.6円になります。割引計算で、たったこれだけなのです。ただ、この割引計算というのは、エクセルでやることが多いので、割り算よりも、掛け算のほうがやりやすいじゃないのと思う方も多くて、これ、掛け算で計算できるように、0.909とか、0.826という数字を使います。これを、割引原価係数というのですけれども、どうやって計算しているのかというと、そんなに難しくなくて、1足す10パーセント分の1です。この逆数を出せば、100割る1.1じゃなくて、100掛ける0.909で90.9という答えが出せます。これも同じです。1足す10パーセントの二乗分の一、それが、0.826という計算方法になります。

 こういったものというのは、ネットで拾ってもあるかと思いますがフランスのテキストなどでCD付のテキストを買うと、割引率を入れれば、こういう計算を自動的にするフォーマットというのはいくらでもあると思いますけれども、こういう背景で割引計算をしているということは理解をしておいてください。

 この例では、10パーセントというふうに仮に起きましたけれども、問題はこの10パーセントというのを、どうやって決めていくのかというのが、次に問題になるわけです。

 この割引率、先ほどは10パーセントというふうにざっくり、計算がしやすいので申し上げましたけれども、10パーセントではないはずなのですね。企業で考えた場合に、どうやってこの割引率を出すのかということなのですけれども、先ほど、10パーセントというのは、どういう例でお話をしたかと思い出していただけるとありがたいのですが、10パーセント、黙っていても増えるような定期預金の商品があります。ということは、黙っていても10パーセント増えるということではないですか。

 これを、企業側で考えると、黙っていても、それだけは負担しなければいけないコストというのがあるのですね。もっと分かりやすく言うと、この負債の部分です。負債に掛かるコストははてなになっています。株主資本に掛かるコストは、はてなになっています。両方とも、意味合いが違うので、別々に分けているのですけれども、説明を分かりやすくするために、先に出すと、負債に掛かるコストというのは、お金を借りていれば、当然利息を負担しなければいけないわけです。仮に、利息が2パーセントだった場合、2パーセントは黙っていても増やさなければ話にならないわけです。利息すら返せないという状況になっていくわけです。お金を借りたら、当然、元本まで返済しなければいけないわけなので、この利息相当分だけは、黙っていても絶対に稼がないと話にならないのです。1年後に2パーセント価値を増やしたとしても、それは、利息で消えていってしまうので、例えば、今100円持っていますと。1年後2パーセント利息を払わないといけないと。2パーセント増やしましたというと、100円が、100掛ける1.02で、102円になるわけです。でも、2は利息でなくなってしまうわけなので、価値が変わらないわけなのです。最低限、利息に係るコストは、黙っていても稼がないと話にならないですねということで、割引計算の対象になるわけです。黙って、ことしの100を来年100にした場合、100の価値ではないです。2パーセント分を割り引いて考えなければいけないという考え方です。最低限、これだけは負担しなければ話にならないので、そのコストを負担しなければいけないと考えてください。 

 でも、加重平均というのはどういうことなのかというと、借りる、1本で借りていればいいのですけれども、そこそこの会社になると、いろいろな条件で短期の借り入れをしていたり、長期の借り入れをしていたり、借り入れた時期によって利率が違っていたりします。これを、借りている元本と利息と加重平均をして、平均値を使って計算をしてみてくださいというのが、この加重平均という意味合いです。

 次に、節税効果を考慮と書いてありますけれども、利息は当然、お金を払わなければいけないです。利息を仮に2パーセント払わないといけない。この支払利息は、会計上、税務上、損金になるのです。損金になるということは、その分税金を払わなくて済むのです。利益が出ている場合ですけれども。なので、例えば、支払利息の比率が2パーセントのときに税率が40パーセントだとします。負債を使うと、その40パーセント分、得するのです。利息を払ったので、税金を払わなくて済むわけなので、これを、負債の節税効果というのですけれども、そこを考慮する必要があります。なので、負債の利子率が仮に2パーセントだとすると、負債のコストというのはもっと少ないのです。なので、ファイナンスの理論上でいうと、負債は使えば使うほど得なのです。人から、お金を借りてきて、使えば使うほど圧倒的に特になるわけなのです。ただし、負債も、大きくなると普通はお金が回らなくなるので、会社がつぶれる危険性が高くなるわけです。では、どこにこの負債と純資産、株主資本のバランスを取っていくかということが、その点は最適資本構成というのですけれども、本当は、それをどの位置に決めるのかというのが経営なのです。これは、答えはない話ですので、どこまでリスクを取って負債を増やしていくのか、ある程度以上超えると会社が傾く可能性があるので、負債はこの辺で止めておこうかということを決めるのが経営なのです。

 それというのは、繰り返しになりますけれども、決まった方程式はないので、どういう意味合いが負債を使うことによってあるのか、株主資本を使うことによってあるのか、それに対するリスクというのを、しっかりと理解した上で、経営者が決めていかないといけないことなのです。こういうことを、全く理解しないで、財務部長に取りあえずやっておけとか、CFも取りあえずやっておけというような形になると、会社の経営というのはおかしくなっていきます。かなり難しい問題ですけれども、そのベースとなる考え方というのを理解しておいていただきたいと思います。

 割引率を計算するときには、負債だけではないです。お金を使うときに、株主のお金を使うという株主資本を使うというケースもあります。株主資本に掛かるコストは一体何なのだろうかという話なのですけれども、一つは配当です。株主に配当として還元をしていかなければいけませんということと、もう一つ、将来の株価の値上がり期待値というのが、株主にはあるわけなのです。

 皆さんに少しだけ考えていただきたいのですけれども、この負債に掛かるコストと株主資本に掛かるコスト、どっちのほうが高いと思いますか。仮に、負債に掛かるコストが2パーセントだった場合に、株主資本コストというのは、一体幾らなのか。2パーセントより高いのか低いのか。

 答えは、必ず高いのです。なぜかというと、お金を出すほうの立場に立って考えていただきたいのですけれども、こっちは、負債は貸す方ですね。元本を返済してもらうわけです。10億円貸して2パーセントで3年間で返してくれといった場合に、利息2パーセント取りつつ、3年後には10億円返ってくるわけです。株として出資をするということになると、これは、基本的には10億円返ってこないです。誰かに買ってもらうという方法はありますけれども、会社からは基本的には返ってきませんから、元本はいったん出しっぱなしなわけです。当然、貸し付けとしてお金を貸すよりも、たくさんの利回りがなければ、通常株主は出しません。なので、株主資本のほうがコストが高いのです。このように、まずは理解をしてください。

 そうなると、負債に掛かるコストというのは、調べれば分かりますから、今、特に日本国内ではそんなに高くないはずです。よほど業績が悪い会社でなければ1パーセントから3パーセントくらいの間に収まるはずなのです。では、それと比較して、それよりも少し株主を残すのは高いのでということを理解しておいていただけるだけで、例えば、ある企業評価の算定書が出たときに、割引率が30パーセントとなっていた場合、どうやって30パーセントを出したのか。負債は一体何パーセントあるのか、株主資本は一体何パーセントあったのかということをひもとくだけでも、30パーセントというのは基本的にはあり得ないということが、今の日本ではすぐ考え付くと思うのです。どうやって計算をしているのかというベーシックな流れというのを、きちんと押さえておいていただきたいなと思うのです。

 具体的にどうやって計算をするのかという話なのですけれども、負債コストは簡単なのです。先ほどの節税効果の部分を加味していただいて、一体幾らで借り入れているのかという利率。これ掛ける1マイナス税率です。税金の分を利息を使えば得するということをお話ししましたので、仮に2パーセントだとすれば、2パーセント掛ける1マイナス税率、これを、40パーセントざっくりおけば、2掛ける0.6になりますから、1.2パーセント負債に掛かるコストとして持っておかなければいけないですということなのです。

 株主資本コストと一般的にどうやって計算しているのかというと、この式なのです。リスクフリーレートにマーケットリスクプレミアムにβ値という数値を掛けて計算をします。リスクフリーレートというのは、一般的には国債が使われています。要するに、ほとんどリスクがないけれども、多少利息は付くような商品のレートのことです。今の日本だったら、1パーセントくらいです。これは、マーケットリスクプレミアムというのは一体何なのかという話なのですけれども、日本で、このバリエーションする場合によく使われるのが、東証の利回りです。東京証券取引所の過去の利回りというのを、ずっと取っていきます。その利回りが、リスクフリーレートと比較して、安全資産である国債と比較して、どれくらい高かったのかというデータを調べることができるのですけれども、それを使っているのです。各銘柄のデータではなくて、市場全体のデータというのしかないので、このデータ値という数値で補正をするのです。東証の全体の動きと株価の動きがほとんど同じような会社の場合はβ値は1なのです。ほとんど同じ結果になります。ただ、中には、東証の平均、日経平均と全く違う動きをするような株もあるので、そういうような銘柄については、このデータ値が補正をするということになっています。

 今の説明で経営者が、その数字を拾ってきて計算することはきっとないと思うのです。社内の財務部門にやってもらうか、外注するか、会計士とかコンサル会社に外注することになると思うので、出てきた結果が、一体どういう(****ローヒック@00:13:17)に基づいて計算されていて、その比率で計算をするのが、皆さんの会社にとって正しいのか正しくないのかという判断をできるようになっていただきたいと思うのです。

 株主資本コストは、こういう計算方法を採ったら、誰がやったって同じになるように見えるではないですか。でも、実は、これでも、結構数字をいじれるのです。どういうことかというと、このマーケットリスクプレミアム、大体1940年後半ぐらいからデータはあるのです。そのころから朝鮮戦争までは、日本は高度経済成長真っ盛りなので、ものすごくマーケットリスクプレミアムが高いのです。最近は、そこまで当然高くないです。 

 どうして取れるのかというところでデータが取れる限り、昔から全部取って平均値を取ろうという考え方も当然できるではないですか。いや、でも、朝鮮戦争前までは、あまりにも良かったので、そこは排除して考えようということもできますよね。逆に最近は、あまりにも低すぎるから、ここ数年間だけはいったん排除して考えようとか、バブルのときは、異常時だったから、ここは抜いて考えようとか、入れて考えようとか、理屈はいくらでもつけられるのです。数字をいじられるのです。このβ値についてもいじられます。対象企業1社の、上場していればそのβ値を使ってもいいですし、通常は1社だけだとぶれが出るので、競合の会社を幾つか数字を拾ってきて、平均したりするのです。それも、競合をどこまで、どの会社を競合位置しようというのは、そのデータ値も、いつからいつまでの期間を対象にするのか、数字は、実はいじれるのです。

 なので、専門家がやっているからといって、鵜呑みにしないで、負債コストと比較した場合に、それよりも、純資産、株主資本を使うときには、コストが高いのです。それは、どうやって計算されているのかというと、リスクフリーレートのマーケットリスクプレミアムです、これによって計算がされていますので、そんなに高い数字に、日本でやろうとした場合に普通はならないのです。逆に、これは、新興国の市場でやろうとした場合、例えば、インドとか、インドネシアとか、そういうような国のマーケットリスクプレミアムというのは、すごく高いので、その代わりここは20パーセントで、負債には5パーセントから7パーセントで貸していますという形になると、下手をすると20何パーセントの割引率というのも、当然あり得ると思うのです。なので、どうやって、計算されているのかというところを、まずきちんと理解をしていただきたいのです。その出てきた結果というのを、評価していただきたいのです。

 負債コスト株主資本の計算の仕方というのは、ざっくりとご説明をしたのですけれども、実際に割引率として計算するときには、これも課税平均をしてくだいさい。仮に負債が40パーセントで株主資本が60パーセントであれば、負債コスト掛ける40パーセント足す株主資本掛ける、60パーセントという形で、加重平均をして使うようにしていただきたいと思います。ですから、最終的に何パーセントが税率。その何パーセントは一体何のかという話なのですが、それに対する答えが、この(####@00:16:21)、要するに、最低限、それだけ稼がないと、話になりませんぜと、なぜならば、利息も払わなければいけないですし、株主に対してもいろいろな意味で還元をしていかなければいけないと。最低これくらいは稼がないと話になりませんねという利回りのレートだと思ってください。そういう意味で、ここでは、投資のハードグレートと使っています。ですから、仮に、割引率が5パーセントと出てきた場合に、皆さんの会社にとってみて、この当初のハードグレートになっているかどうか。そういう観点で見ていっていただきたい。仮にそれが、皆さんの考えるハードグレードと違うのであれば、では、負債コストは一体どうやって出していくのか。株主資本コストは一体どうやって出しているのかというところを、ある程度、精査をしていくくらいの力が本来的には経営者には求められているのではないかと思います。

 今まで、そういう経営者にお目に掛かったというのはほとんどないです。そんなに難しいことではありません。具体的な計算は皆さんの片腕であるCFOとか、財務担当をやっているとか、あるいは外部のコンサル会社に委託していただいて、全く構いません。ただ、そこまでにすることは、非常に危険だということは理解をしておいていただけるといいのかなと思っています。

 ターミナルバリューについては、先ほどもご説明しましたけれども、ターミナルバリューとは、将来にわたって永久にわたってキャッシュ・フローを生み出すと仮定した場合の、今の価値なのです。事業計画などを永久に計算するという会社、算定する会社はほとんどありませんので、例えば、3年とか、5年とか、10年で、その数字で終わってしまうのです。ただ、会社、ビジネスというのは通常5年か10年で終わると考えていませんから、その先どうやって、会社の価値というのを、計算しようと。一つの方法としてずっと一定割合で成長する、あるいは成長しないけれども、一定割合でお金を稼ぎ続けるという前提で現在価値を出すという方法です。

 ターミナルバリューの計算方法は、ここに記載のとおりです。予測期間の翌年のフリー・キャッシュ・フロー割る、括弧、加重平均資本コスト、これは、割引率のことです。割引率マイナス、成長率という計算式で算定ができます。ただ、このターミナルバリューを安易に使ってしまうのも、相当危険だということは、先ほどお話を申し上げたとおりです。

 割引計算のお話をしましたけれども、割引計算をする割引率を出して現在価値係数を出すという流れをご説明しましたけれども、それを掛ける対象というのはキャッシュ・フローなのです。フリー・キャッシュ・フローといわれるキャッシュ・フローなのです。どういうふうに計算をするのかというところを、ざっとだけご説明します。後ほど、ワークシートを使って細かくご説明しますけれども、通常、こんな感じで出しています。

 営業利益は、事業計画で通常立てていくと思いますので、営業利益をベースにして、法人税は当然払っていかないといけないですから、税率負担を1回します。例えば、40パーセントであれば、営業利益をいくら稼いでも40パーセントとは税金で払わないといけませんので、それだけお金が出ていきますという計算をします。

 その後に、減価償却費を足します。減価償却費というのは、会計的に費用になっていますけれども、お金自体は既に払い終わっているものというのが多いですね。なので、ここでいったん、ここで加算をします。設備投資です。減価償却は出しますけれども、もちろん、その年に投資したものというのは、これは、出ていくのが通常ですので、それを計算します。あとは運転資金、運転資本の増加額というものを、増加している場合には、これはマイナスするという形になります。

 あらためて、法人税等支払額の考慮をしていかなければいけないです。ここは実行ですが、仮に40パーセントであれば、営業利益の40パーセント相当で、関連的に税金の支払額を算定するということが多いです。もう少し厳密に計算できるのであれば、厳密にやっていただいても構わないです。

 減価償却をプラスする意味なのですけれども、設備投資によるお金の出というのは、キャッシュ・アウトフローというのは、別途次に設備投資というところで、考慮していますので減価償却費は、過去に投資した設備に掛かる、減価償却費です。これは、費用にはなっているけれども、これは出ていっていないものですから、利益にいったん足してあげることによって利益からお金のキャッシュ・フローに調整をするという計算をしているわけです。

 減価償却があると、キャッシュ・フロー、インフローでお金が入ってくるという表現をする方が、たまにいらっしゃるんですけれども、勉強し過ぎです。減価償却があるからお金が入ってくるわけではありません。あくまでも、利益からキャッシュ・フローに調整するときに減価償却に足して計算をするというだけです。

 運転資本、運転資金の増減が、まず、運転資本って、一体何なのですかというところなのですけれども、基本は売り上げ再計に在庫を足して、仕入れ債務を引いていただいて、これは運転資本です。売上債権というのは、受取手形とか、売掛金とかです。在庫は、原材料とか、商品、製品とか、いわゆるたな卸し資産です。それから、仕入れ債務。これは、支払手形、買掛金ですけれども、これを、マイナスするのが運転資本なのです。これは、売り上げの増加によって、普通は増加すると考えられます。当然、在庫も増えますし、売り上げが増えれば、売掛金も買掛金も増えるのが通常でしょうと。

 これによって算定されているお金って、どういう状態なのかというと、金額というのは、どういう状態なのかというと、一時的にお金が足りない状態なのです。利益が出ているにもかかわらず、お金がまだ入ってきていない状況だと思ってください。どういうことかというと、在庫はお金を払って買って、まだお金になっていないです。売れていないので、お金が死んでいるのです。売掛金も同じなのです。物を売りましたと。売り上げが立っています、利益が出ています。でも、まだ、お金が回収していない状況なので、一時的にキャッシュが不足している状況なのです。利益と比較して。

 逆に仕入れ債務というのは、物をもらいました。サービスの提供を受けました。まだお金を払ってない状況なので、一時的にお金が浮いている状態なのです。それを、引いています。

 この金額の分だけくらい、手元にキャッシュがないと、普通お金が回っていかなくなるのです。という意味で運転資本といっています。
 これは、売り上げが増えれば、増えるほど、運転資本は普通増えていきますので、その増えた分だけ、利益と比較するとキャッシュが足りなくなるのです。なので、運転資本が増加している場合というのは、この運転資本をマイナスするという計算をします。逆に、売り上げが減っていって、運転資本が運転資金が減少した場合は、足したらいいです。利益と比較しても、お金が一時的に余裕がある状況になってくるということなので、それは足してしまって構いません。

 というような、調整を営業利益をベースにフリー・キャッシュ・フローにしていかなければいけないという作業があります。
 これについては、後ほどワークシートを使ってもう少し詳しくご説明をしたいと思いますが、この面倒くさい計算をしないといけないというのは、先ほどご説明したとおりですので、すごく面倒くさいのですけれども、これをやらないと、意思決定、確実に間違えることになってしまいますから、この段階では、大体、こんな調整計算を面倒くさいけれどもしなければいけないですねというところの理解をしておいていただけるといいかなと思います。

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