M&A

アコーディアとPGMのTOBをめぐる攻防 その1(きっかけ編)

アコーディアとPGMのTOBを巡る報道がかなりされているので、まずはこの問題が起こったきっかけについて考察してみたい。

まず、用語の整理をしておきたい。

  • アコーディア=PGMと同じようにゴルフコースをM&Aで買い集め、100以上のゴルフコースを経営する企業。
  • PGM=パシフィックゴルフマネジメント=バブル崩壊後の破綻したゴルフコースを買い集め、経営効率化により、多くのゴルフコースを運営する企業。
  • TOB=Take Over Bitの略。要するに、1株いくらでこの会社を買いますから、株主の皆さん、ぜひ売ってください、と公開宣言をして買収をすること。

このいわばライバル2社による、買収するぞ、冗談じゃない、というやりとりがされ、結果として、失敗に終わったというのがこの件。

では、そもそもどうしてこんなことが起きたのか、という点については一般紙では取り上げられておらず、やや疑問に思っていたところ、流石、専門誌。ゴルフダイジェストで、この背景がとりあげられいた。

ポイントは、以下のとおり。まずはこれを押さえて財務的な観点から、このTOBの条件を別途、おさえていくことにする。

  • 発端は、名門太平洋ゴルフが破綻して、このスポンサー候補にアコーディアが手をあげた。
  • しかし、会員が反対。
  • アコーディアの内紛で社長の会社資産私的流用が暴露される。
  • 一方で、アコーディアからPGMにうつったPGM社長が裏で、両社の統合に動いていた。
  • アコーディアの内紛で社長辞任後、新役員選出の株主総会でもめる。
  • この総会終了後、太平洋ゴルフは、アコーディアはそのスポンサーとした再生計画を提出するも、これも会員の反発にあい、結果として会社更生法の適用となってしまう。
  • その後、会員がパチンコホール経営のマルハンをスポンサー候補とし、再生計画をまとめようとした時点で、PGMがTOBを宣言。
  • 以下の記事では記載がないが、結果として失敗に終わった。

○アコーディアvsPGMの激闘2012年。TOBで経営統合なるか 
http://www.golfdigest.co.jp/digest/column/back9/2013/20130122c.asp
***以下、引用***

昨年はアコーディアとPGMという2大ゴルフ場経営会社の対立が、名門太平洋クラブをめぐる動きとも絡み合い、大きく注目された1年だった。

 太平洋クラブが突如、民事再生手続きの開始を申し立てたのは昨年1月23日。会社側が立てたスポンサー候補は大量集客のイメージが定着しているアコーディア。プレー環境の悪化を懸念する会員が即座に猛反発、数日後には会員組織が立ち上がる。

 そのアコーディアに大打撃を与えたのが、4月17日の“秋本会見”。アコーディアの秋本一郎専務(当時)が、同竹生道巨社長(当時)による会社資産の私的流用問題を暴露したのだ。

 間髪入れずにアコーディアの大株主で、PGMの兄弟会社でもあるオリンピアが株主委員会なる組織を立ち上げ、アコーディアのコンプライアンス是正と、高値での太平洋クラブ買収の撤回を求める運動が始まる。

 この動きを当然、アコーディアはPGMによるアコーディア乗っ取り工作の一貫ととらえた。アコーディア取締役からPGM社長に転じた神田有宏氏が個人的にアコーディアにPGMとの経営統合を持ちかけていたからだ。

 アコーディアを牽引してきた竹生社長辞任直後の6月28日に開催された株主総会は、会社側、株主委員会双方が推薦する取締役候補を巡るプロキシーファイト(委任状争奪戦)となり、株式市場からも注目を集めるが、株主委員会が推す候補は全員“落選”。

 アコーディアの総会終了を待つ形で太平洋は7月2日、予定どおりアコーディアをスポンサーとする再生計画案を提出するが会員の反発は根強く、10月3日、再生計画案は否決され、会社更生手続に移行。無事VISA太平洋マスターズも開催され、会員組織がスポンサー候補としてパチンコパーラーのマルハンを推薦。13年8月の更生計画案提出に向け、さてこれから本格的にスポンサー選定に入ろうという矢先の11月15日、アコーディアとの経営統合交渉再開を望むPGMが、アコーディア株の公開買付開始(TOB)を突然宣言する。

 アコーディア経営陣は経営統合にも突然のTOB開始にも猛反発。ただ証券市場関係者は「PGMによる5割超の株獲得は確実」と見ている。

 公開買付けの結果は1月18日に判明するが、PGMの目標通り5割超の応募があった場合、アコーディアはPGMの連結子会社になる。そうなると経営統合に反対する役員をクビにすることも可能。統合会社で太平洋のスポンサー候補に名乗りを上げる可能性も出てくる。今年も太平洋を挟んだ2強の動きが世間の耳目を集める。

***引用、ここまで*** 

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