M&A

割安!!中国海洋石油によるカナダのネクセンの買収

中国海洋石油によるカナダのネクセンの買収を許可したと報じられている。
金額は約1兆2,500億円。この金額での買収の妥当性について、財務数値から確認しておくこととする。

○中国国有企業の石油大手買収を認可 カナダ政府が1兆円超で
http://news.livedoor.com/article/detail/7214461/
***以下、引用**

【ワシントン=柿内公輔】カナダ政府は7日、中国国有企業の中国海洋石油(CNOOC)によるカナダ石油大手ネクセンの買収を認可したと発表した。買収総額は151億ドル(約1兆2500億円)で、同国での中国企業による過去最大のM&A(企業の買収・合併)とみられる。CNOOCのネクセン買収をめぐっては、カナダの議会などから反対論が出ていた。
 カナダ政府はまた、マレーシア国営石油会社ペトロナスによる天然ガス企業プログレス・エナジーの買収も認めた。買収総額は52億ドル。ただ、カナダ政府は今後、外国国有企業によるエネルギー分野への外資参入には厳格に対応するとして、資金力を背景とした中国などによる資源獲得の動きに予防線を張った。
 ネクセン買収には、同社が権益を保有する米国と英国の当局の承認も必要だが、同社本社のあるカナダ政府が計画を認可するかが最大の焦点となっていた。ネクセンの株主はすでに買収計画を承認している。
 CNOOCは今年7月、ネクセンの買収計画を発表したが、「中国がカナダの天然資源を買い占めるのを容認すべきでない」とする野党新民主党だけでなく、与党保守党からも批判が噴出。ネクセンが鉱区を保有する自治体からも、中国の国有企業の買収に対する警戒感が強まっていた。
 このため、カナダのハーパー首相は「カナダの国益にかなうかどうか」を基準に検討を進めてきた。カナダ政府は認可の理由として「CNOOCはカナダの法令を順守し、カナダの発展に貢献することを約束した」と発表した。

***引用、ここまで***

記事は上記のとおりだが、まずはネクソンの現状を確認しておきたい。ネクソンの財務情報は以下にある。

○Nexen Inc.
http://www.nexeninc.com/Investors.aspx

今年の9月末のBSから見ておくと、総資産が約200億カナダドル(約1兆7千億円)、うち、設備関連が150億カナダドル(1兆2,750億円)である。一方で借入は約42億(3,570億円)カナダドルで、自己資本が約88億カナダドル(7,480億円)である(日本円は1カナダドル=85円で概算。以下、同様)。

設備産業の割に非常に財務状況がよい状況にあるといえる。

続いてPLを見ておく。9月末までの9ヶ月で売上約50億(4,250億円)カナダドル、税前利益が15億カナダドル(1,275億円)、税引後の利益が3億カナダドル(255億円)、やや税金負担が重いようで税引後の利益が少ないようであるが、十分な稼ぎがあるといってよい。

キャッシュ・フローもあわせて確認しておきたい。
営業キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローの合計である、いわゆるフリー・キャッシュフローを見ておくと、今年後も昨年度も営業キャッシュ・フロー約20億カナダドルの収入、投資キャッシュ・フロー約10億カナダドルの支出でいわゆるフリー・キャッシュフローは約10億カナダドル(850億円)稼いでいる。この数値は9ヶ月分の数値であるから、1年間に引き直してみると約1,000億円のキャッシュ・フローがあるとみていい。

まとめると、 中国海洋石油は1兆2,500億円でネクソンを買収し、約3,500億円の借入を引き継いだ。一方でネクソンは18億カナダドル、約1,500億円のキャッシュを持っているから、約1兆4,500億円を回収すれば、この投資についての回収が完了することになる。自己資本がすでに約7,500億円あるので、差引7,000億円。これを1年間1,000億円のフリー・キャッシュフローで回収するとすれば、7年間。設備産業の代名詞ともいえる石油業のカナダの大企業をこの条件で買収できるというのは、割安といっていいだろう。

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