M&A News

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初めから買収を前提に交渉するっていうのがナンセンスなんです。

株式会社アイ・エム・エス(https://callserve.jp/)発行の2022年 7月IMS通信に記事が掲載されました。

https://ma-japan.info/case/wp-content/uploads/2022/06/IMS-02_kaihou_01-02-2.pdf

なかなか良いことを主張していると我ながら思いますので、テキストベースでも皆さんにぜひ読んでいただければと思い、共有します。

<タイトル>
初めから買収を前提に交渉するっていうのがナンセンスなんです。

<リード>
日本M&Aアドバイザー協会は、承継する側/される側の双方が友好的に成約する環境の整備をミッションとして、認定M&Aアドバイザーの育成に取組まれています。まさに売る/買う双方の立場に精通なさっている大原達朗代表理事に、企業がM&Aを成功させるために大切なことは何か、お尋ねしました。

<本文>
なぜM&Aは成約しないのか

―ここ数年でM&Aの成約件数は増えているのでしょうか。
大原 数は増えてはいますが、まだまだ少ないです。
中小企業の後継者不足の解決策としてM&Aを推進するとなると、事業者が300万以上あるうち廃業を考えないといけないのが年間1%だとしても、これを承継するには3万件やらなきゃいけない。これだけ高齢化が進んでいるわけですから、実際は年間1%のはずないですよ。だとすると成約が年間4000件程度では全然話にならない少なさだと思います。

―なにが障壁になっているのでしょうか。
大原 一般的には手数料の問題がいちばん大きいと言われています。が、私はもっと根深い論点があると思っています。
売却側に対しては、そもそも人に売れる会社ですか、いくら稼げる会社ですかということがひとつ。もうひとつは第三者が引継いだあと経営できますか、というこの2点です。この2つが噛み合っていないと第三者には譲渡できませんが、最初から揃っている会社はそうそうありません。

こういう会社は「売れません」。

大原 稼ぐ力については、もちろんポテンシャルのある中小企業はあります。そういう会社の社長によく言われるのは「ちゃんと経営すれば利益は出ます」。じゃあ、あなたはなんでちゃんと経営してないのって説教したくなりますよね(笑)。
また、ちゃんと経営をしているのは当然としても、経営管理ができていないと人には伝えられないです。財務等の数字の関係、契約の関係、規定の関係などの記録がとられていなければ、第三者が評価することはできませんし、引継ぎも難しい。「取引先との関係、売上の数値など、すべて私の頭の中に入ってます」という経営者は危ないです。
「人に売れる会社か」とは、そういう意味もあります。

―もう一点の「第三者が引継いだ後経営できるか」というのはどういったことでしょうか。

大原 例えば、すごく有名なオーナーシェフの経営する人気レストランがあります。このシェフの抜群の知名度と技術が顧客の信頼を得ているので、この人が引退するとき店を買い取ったとしても、その後同じだけ稼げますか、ということです。
この2点は第三者承継に限らず親族内承継でも大事なことです。

会社を買おうとするから失敗する

―では、買収する側にとっての論点はなんでしょう。

大原 M&Aというのはお互いにものすごくリスクがあるんですね。買う側からしたら、まとめてお金を払ってビジネスを手に入れたんだけれども、半年で使いものにならなくなる可能性もある。自分たちの弱みを埋めてくれる企業があったのなら、買収を前提に交渉するのではなく、まずは彼らと協力をするんだという論点で考えていただいて、スタートは「一緒にこの仕事をやりませんか」ということでいいと思うんです。
その会社のリソースを使いたかったら、こちらから発注させてくれませんか、商品買わせてもらえませんか、サービス使わせてもらえませんか、というところから普通入るじゃないですか。取引先候補としてなら、相手先も話を聞かないわけがないですよ。お互いビジネスなんですから。
その交渉をしているなかで、「そこまでやるんだったらグループとして一緒にやったほうがいいんじゃないですか」という話になれば買収に進むこともある、これが僕は自然な形だと思います。

業者や担当者には任せるな!

―事業活動のなかから始まるほうがうまくいくと。

大原 特に経営者の関与が薄いとM&Aは失敗します。企業買収の経験がない会社だと、仲介業者を入れたり、比較的大きい会社であれば経験者を外から採用したりしますが、この人たちにとってはとにかく買収することが仕事になってしまう。だからM&Aは社長自身が根本的なジャッジをやらないと、ちゃんとできるわけがないのです。

―社長が忙しくても担当者に振るべきではない?
大原 社長というのは日常のオペレーションを持っていないはずなんです。緊急事態とか、不要不急だけれども将来のために必要なことに時間をつかわないといけない。自分がいなくなった後の体制をどうするかとか、今後会社が伸びるためにどうやっていくかとか。M&Aなんてまさにそれじゃないですか。極端に言うと今やらなくてもいいんだけれども、先々のことを考えるとやらなきゃいけない。日常のオペレーションとは真逆の仕事です。
でも中小企業のまじめな経営者の多くは「スーパー社員」なんですよ。
例えばメーカーだと、工場の取仕切りを全部社長がやっている。これはとても大事なことなんですけど、でもそれって工場長の仕事なんですよ。経営ではないです。

いまは早期発見で生き残る時代

―経営者は経営の仕事に特化する必要があるということですね。とは言え、変えていくのは難しそうですよね。
大原 まずは自分の会社の正確な状況を把握することだと思います。
自分の会社の社員全員が朝から晩まで何をやっているか、わかっているうちは、通帳を見ていれば何とかなると思います。この時点でも数字で管理したほうがいいのですが、朝から晩まで見ていない社員が一人でも出てきたら、絶対数字で管理しないといけません。

―経営管理が苦手な人もいると思いますが…。
大原 危機感が大事ですね。誰でも漠然と危機感は持っていると思うんですけど、それを具体化するというか、可視化するのは財務の数字なんじゃないかと。曖昧だと先送りしてしまう。
頭痛がしたり胃腸の調子が悪いのに、なかなか病院にいかない人と似ていますよ。

―その例えはすごくわかりやすいですね。
大原 検査も経営も問題を先送りにしないことです。60代くらいの方って右肩上がりでずっと成長してきた経験があるので、そういうときって問題を先送りにしておくとどこかで解決できたんですよ。多少数字をごまかしていたとしても2年ぐらいすると景気が回復して、売上がガンと増えて相殺できたりとか。
でも今は先送りすればするほどきつくなるんです。考え方をチェンジしていかないと。
だから早めに、いったん実態をつまびらかにしようと。つまびらかにしてどこか悪いところがあったって、いきなり会社をやめる必要はないのですから。

本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。
                                                                                                                                                                                                  
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