オリックスが弥生会計を2,400億円で売却するそうです。事業利益は60億円ということですからPER40倍です。事業利益はおそらく税引前でしょうから、これを考慮するとPERは60倍くらいかもしれません。

弥生というのはこれまで以下のようによく売買対象となっています。

2003年 アメリカのインテュイットからMBO。アドバンテッジパートナーズが支援。
2004年 ライブドアが240億円で買収
2007年 ライブドアからMBKパートナーズが710億円で買収
2014年 オリックスが800億円超で買収

なかなか珍しい会社です。今回もオリックスは単独投資としては大成功です。

KKRはファンドです。弥生もクラウドサービスを持っていますので、その点の同業であるfree、マネーフォワードの時価総額が3,000億円超ですから、２年間で時価総額3,000億円で上場すれば、十分もとは取れるだろうということなのでしょう。成功の可能性は高いと思います。人気のフィンテック銘柄となることでしょう。

PER60倍は将来の期待値です。PER20倍くらいであれば平均的な数値ですから、3,000億円とすれば150億円くらいの税引後利益がでていれば計算は合います。逆算すると200億円以上の利益ベースとなれば企業評価としてはありえる計算になります。上場時にはその期待値があればよいのですが、競合もあるなかでそれだけの利益があげられるかは未知数ではあります。

ファンドとしては短期的にかなりの利回りも見込めるよい案件だとは思います。オリックスも800億円が7年で2,400億円ですから大成功。問題は将来の株主に本当にメリットを出せるかという点です。株主は自己判断で投資をすればよいわけですので、それだけの知識と経験を持っておく必要があるわけです。

オリックス、会計ソフトの弥生をKKRに売却　2400億円: 日本経済新聞 https://t.co/XBvd9PuXAQ

— 大原 達朗 Tatsuaki Ohara (@ohhara_cpa) December 11, 2021

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