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M&Aをする上で一番大切なことは情報機密

M&Aをやっていく上で一番大事なことは何かというと、人によって違うかもしれませんが、僕は情報機密だと思っています。ばれたらおしまいです。特に、売り手です。「あの会社が売りに出ている」という情報は、絶対にばれては駄目です。だって、あまりポジティブにとらえないでしょう。「あの会社、売りに出ているらしいぞ。大丈夫か。やばいんじゃないか」と思いますよね。

皆さんは前向きにM&Aに取り組んでいただこうとされているのでそう思わないかもしれませんけれども、大半の方というのはM&Aという言葉に対して極めてネガティブに考えていらっしゃいますから、売りに出ているという評価は、相当やばいものです。従業員に出ようものなら、「本当にうちの会社は大丈夫か」みたいなことで会社自体がガタガタになってしまうケースもありますので、当然買い手の機密も大事ですが、売り手の機密はもっと大事です。ですから、この情報をしっかりと守るところでないと、委託しては駄目です。

逆に皆さんがやるとしたら、絶対にここだけはキープしておかないと、しゃれにならなりません。ここをベラベラしゃべる方が、非常に多いです。でもそういう人たちの背景は共通しています。自分たちの案件ではないからです。自分たちが直接持っていない案件です。ですから、よく分からないからかえってよくしゃべります。よく分からないことを悟られないためにしゃべるのです。「それは本当にいいよね」ということで、ちょっとアプローチしていくと、誰に話せばいいのかというのも分からないです。これも、これから防止をしていかないといけないことかと思います。

「こういう案件があるんですが、どうですか」「それだったらうちで話を聞いてくれそうなところがいますけど」みたいなことはあります。間に何人入っているのというと、指折り数え始めて「4人ですかね」と言います。4人と言ったら、それはもともと売り主と買い主がコンタクトを取るのに下手をすると1週間かかるじゃないですか。話にならないですよね。ネームクリアの確認というのは、本当に重要です。

 さはさりながら、一つ一つ確認していくことは大事ですけれども、ある程度多くの方にその情報を知っていただかなければいけない場面というのもあるわけです。それこそ、今はネットの世界なのでホームページに出すとか、もろもろの手段がとれます。できる限り多くの方に見ていただくほうがチャンスは広がっていくわけですから、そういうときにノンネームシートというのがあります。ここの5番目に書いてあるのですけれども、ノンネームシートです。
このノンネームシートは名前がないシートなので、会社名が分かりません。絶対に会社名が特定されないような情報だけを出すわけです。例えば業種とか、ざっくりした売り上げとか、リーチとか従業員数とか、市レベルまでのざっくりした場所とかです。

それがないと、検討しようがないじゃないですか。それだったらうちは興味があるから、もう少し詳しい評価を知りたいと思うのか、それはうちが関係ないと思うのかという情報を作っておかないと、いろいろな方にアクセスできないです。そういうノンネームシートというのも作っていかないといけません。買い手には情報を提供していかなければいけません。では、ノンネームシートはどういうものですかというと、個別の企業名が特定できないような情報を集めたシートにまとめたシートですけれども、今は結構難しいです。なぜなら、グーグルが超賢いので、キーワードを四つか五つ入れてしまうと、特定されてしまう可能性があります。それを全部隠そうと思うと、なんだか分からなくなります。

東京の話で恐縮ですけれども、六本木のスリランカ料理といったら、きっと5個くらいあるのではないかと思います。でも、それ以外の地名になったときに、スリランカ料理というのはたぶん1個しかないです。検索をしたら一発で分かってしまいます。でも、スリランカ料理の店をもし売ろうと思ったら、スリランカ料理と入れないと判断できないですよね。「カレーっぽいものを売っています」と言っても、全然分からないわけじゃないです。そうなるとノンネームシートは作れないです。そういう場合はやむを得ません。

もうそこは了承、お問い合わせくださいというのか、あるいはここではスリランカ料理ということを言ってしまいます。たぶん、店、会社は特定できてしまいますと売り手にきちんと説明すればよいわけです。相手先によっては、当然売り手もオーケーを出します。だから、ノンネームシートだからと言って、それを全部ホームページに公開してDMでばらまいていいかというとそんなこともないですし、案件で、ケースバイケースで考えていくしかないです。「この情報で書いたらノンネームシートです。それを全部出してもいいです」というルールはそもそもないわけですから、情報機密を守るという原理原則に立ち返ってやっていっていただくということが大事です。

 情報機密というのを、面倒くさいですけれども極めて重要視してやっていかなければいけないかと思います。途中でばれると、必ず破談になります。ほぼ100パーセント破談になるといっていいと思います。ですから一つ、依頼する側の立場、M&Aアドバイザーを使う立場として見ていうと、あまり多くのところに依頼しないというのがあります。5件、6件同時並行でいろいろな情報を出していくと、漏れたときにどこから漏れたか分からないですよね。
初めに信頼できるところを探して、そこに頼んで、何ヶ月がやってみてやはり決まらない、見つからないということであれば徐々にほかのところにも依頼していくという形にしていくほうが、頼むほうとしても安全かなと思います。

本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。
                                                                                                                                                                                                  
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