M&Aによる起業

新規上場企業が少なくなった理由

その理由の一つは規制がとても強くなったということです。上場すると年間いくらくらい必要か分かりますか。おおよそのイメージでいかがでしょうか。100万円程度でしょうか。1000万円程度でしょうか。1億円程度でしょうか。5億円程度、あるいは10億円程度でしょうか。会社によって違います。ビジネス・ブレークスルーという会社も上場していますが、この会社とソニーとでは規模が全く違うので、必要な金額も違います。ではBBTにしましょう。僕も実際にいくら掛かっているのか知りませんが、ビジネス・ブレークスルーという会社は新興市場の東証のマザーズに上場しています。利益は少し多めに言うと3億円程度で、売り上げが20億円程度です。

サービス業なので、それほど小さな会社ではありません。これは十分に上場を維持できる規模の会社です。このクラスの会社は上場会社としては決して大きなほうではありません。この会社で上場維持コストはおおよそいくら必要だと思いますか。適当に聞いてみます。100万は少し少な過ぎるので、500万程度だと思う人は手を挙げてください。では少し飛ばします。1000万はいかがですか。利益は3億円ほど出ていますので1000万円ほどだと思う人は手を挙げてください。では、3000万はいかがでしょうか。5000万はいかがでしょうか。1億はいかがですか。僕も正確には知りませんが、恐らく最低でも5000万は必要だと思います。

ウノさんは知っておられるかもしれませんが、聞いてないふりをしていただければいいと思いますが、外に出ている数字だけで、まず会計監査報酬が必要です。おおよそ2000万弱程度支払っているはずです。1800万ほどだったかもしれませんが、これは公表していますので、調べれば分かります。この規模の会社であればおおよそその程度は必要です。おおよそ相場並みです。それに加えて、かなりさまざまな開示をしています。3カ月に1度はわが社の売り上げはおおよそこの程度で、いくらもうかりましたという四半期報告書と呼ばれるものを提出する必要があります。社内の誰かがこれを作っています。非上場会社であれば普通はそのような人を雇う必要はありません。ですから、上場するとその人たちの人件費も余分に必要になります。また、年に1回株主総会も開きます。株主総会をするためには、株主に1年間の成績を記載した招集通知を送ります。また、年に1度取締役を決めますので、今年の取締役はオオマエケンイチ以下何人かおりますが、これでよろしいですか、という議案など、今年決めなければならない議案を全て印刷して株主に配らなければなりません。ちなみに、僕も株を持っていますので、家にもこれが届きます。これにもかなりお金が必要です。

実際にこの会場を借りて総会を開催するためにもお金が必要です。そのような手続きを信託銀行に委託しますが、それにもお金が必要です。その他もろもろを含めて恐らく5000万ほどが必要だと思います。利益3億で5000万がですから、かなり厳しいです。BBTは最近安定して利益を上げていますので、まだいいほうです。この規模の会社は一般的にかなり利益の上下がありますので、少し売り上げが落ちると赤字になってしまいます。去年は利益は3億でしたが、今年は赤字だという会社はいくらでもあります。ここで安定的に5000万掛かるというのは厳しくないですか。厳しいですよね。

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