東芝決算発表1ヶ月遅延の根本的原因はDDと契約
東芝が1ヶ月決算発表を遅らせると発表しました。リリースには理由は明確にされていません。
闇株新聞では、第三四半期末での債務超過に陥るのをいったん回避し、監査法人に債務超過に陥る原因となるのれんの減損を決算末まで計上を待ってもらうように交渉するか、金融機関にいわゆるコベナンツ条項に抵触するが、容認してほしいと交渉するか、いずれかであろうと述べられています。
実際に決算発表はされなかったものの、東芝は業績の見通しをしっかりとスライドにまとめて公表しており(https://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20170214_4.pdf)、決算業務は終わっているはずです。
しかもはっきりわかるのは第3四半期末で1,912億円の債務超過になっていることです。ここからすると、闇株新聞の予想に私も賛成します。
そこで、今回の債務超過の原因となるのれんの減損ですが、主にはS&W社買収にかかるのれんの減損が6,253億円です。この買収は、米国内で東芝と同社がコンソーシアムを組んで、原発を建設していた中、米国の原発にかかる規制が厳しくなり、プロジェクト完成に困難が生じたことがきっかけで、プロジェクトを完成させ、損害賠償のリスクを低減させるためにS&W社を買収することになったとのことです。
買収後、詳細の工事の見積もりをとったら、想定外のコストがあることが分かり、S&Wにそんなに価値がないとの判断で、のれんが減損された。これが東芝のリリースから私が読み取れた内容です。
ここであえて東芝の問題を指摘するとすれば、買収前のDD(デュー・ディリジェンス)がずさんではなかったのか、という点です。その詳細は知るよしもありませんが、買収してから分かることというのは本当にたくさんあります。したがって、不幸にもDDでこのような大きな問題が見過ごされた場合について、買収の際の契約でどうされていたかという点が問題になります。
今回の件については、何の報道がされていないため、S&Wへ損害賠償責任を問えない契約内容になっているのでしょう。
しかし、今回そもそもコンソーシアムで大きな損失が発生しそうな状況であったため、東芝が火中の栗を拾う形で同社を買収したはずで、その流れで大幅な損失が発生し、しかもそれが過去の見積もりの甘さに起因しているのであれば、S&Wの株主であった現在はCB&Iに買収された、Shaw社が損害を負う契約になっているのがフェアだと思うのです。東芝がそこを配慮していなかったのであれば、落ち度があった可能性はあります。
Shaw社を買収したCB&Iは東芝の子会社であるウェッチングハウスを提訴したが、裁量棄却され、損失補填がされるという報道がありましたが、これは現在どうなっているのか気になります。
○東芝、WH買収後の資産査定めぐり米CB&I提訴の差し止め請求棄却
http://www.sankeibiz.jp/business/news/161206/bsc1612060500003-n1.htm
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— 大原 達朗 Tatsuaki Ohara (@ohhara_cpa) 2017年2月14日
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