結局、どういう会社が上場に向いているのか?
では、それに向けて上場維持コストを負担するという前提で、どういう会社が上場に向いていて、どういう会社が上場に向いていないか。ビジネス的に上下がある会社、波があるような会社は、上場にはあまり向いていないと思います。例えが、今GREEが大変たたかれています。mixiもたたかれています。mixiは確かに厳しいと思います。というのは赤字になっていますから。それを継続して、売上も下がって赤字になっていますので、結構厳しいと思います。それで今人切りをやって、大変たたかれていますが、あれは結構悲惨です。上場していなかったら、こんなことはあり得ません。
あれ程赤字になっているということは普通分かりません。売上が落ちて赤字だということは、社内に仕事がない人がたくさんいるはずです。売上は上がっているけども利益が落ちているときというのは、仕事は増えるけどもというところがあったと思いますが、売り上げが落ちているわけですから、確実に仕事のボリュームは減っているはずです。それで赤字ですから、社内で余っている人に新たに仕事を作ることができなければ、どこかに配置転換なりをしなければなりません。それは社員のことを考えてもそうです。上場しているということは、赤字を垂れ流しているみたいなことをずっと開示をしていかなければならないということですから、今度は株主から言われるわけです。「こんなに赤字を垂れ流していて、あんたたち何をやっているんですか」と当然言われるわけです。
でも、あの会社はたくさんお金を持っているのですよ。ですから、今の程度の赤字を仮に継続したところで、あの会社が傾くというようなことは、取りあえず全くないでしょう。でも、上場しているとたたかれるのです。これは上下しているからです。GREEはもっと悲惨です。とても今もうかっています。ただ、もともとがすごい数字であっただけで、右方下がりになりました。これでボロボロにたたかれます。人切りもしなければなりません。東洋経済には「こんなにもうかっている会社なのにリストラなんかして、経営とはそんなものではないのではないでしょうか」と書かれてしまっています。「あんたたちに言われたくない」という話なのですけど、もし上場していなかったら絶対に言われません。分かりませんから。しかも利益を出しているわけですので、給与の遅配を起こしたりお客さんに対する支払いが遅れたりすることは絶対にありません。キャッシュがたくさん残っていますから。このような状態で、あんなことに時間を取らなければならない会社というのは結構きついと思います。明らかにビジネスに上下があるというところですね。ここは厳しいです。
では、どうするのかという話なのですが、一つは上場しないという話もあります。たしかに一番良いのは、上場します。できれば上場したほうが良いと思います。上場して資金を集めます。今のGREEのようなものですね。あの会社であれば広告宣伝を大きく打ってビジネスを伸ばします。最高ですね。上下がある、はやりすたりがあるビジネスモデルなので、やはり右肩下がりになります。株価が落ちます。この段階でまたどこかに買収してもらう、あるいは合従連衡するというような作戦をとるのが一つ考えられる方向だと思っています。上場しただけで退くことができていないのですよ。社長が若いですから。「引退します」と言ってしまうのも一つの手だと思いますが、まだ田中さんは35歳か36歳。利益が出ている中でなかなか逃げづらいですよね。まだそんなものなんです。
以前は上場するまでに20年ぐらいかかったのです。準備して本格的にやるまでに10年20年かかったので、上場したときの平均年齢は50歳ぐらいだったのです。50歳から5、6年やって、右肩下がりになったとき、本当に引退する年ですから、そろそろ引退してしまうという手があったのですが、最近はそんなことはありませんね。利益が出てきたら2年間ぐらいで上場してしまいますから、創業してから5年目とか6年目で上場してしまうような会社があるわけです。そこの会社の社長が20代であることも結構あります。これはなかなか難しいですね。ですから、上場コストを維持するという意味合いでも、上場した後にどこかのグループに買ってもらうという策は大きな選択肢の一つなのかなと思っています。そうしますと、既存の株主には別に迷惑は掛かりません。
イーアクセスの株主は、上場廃止と言われてしまうと、「この会社の株を長く持っていたら多少上がると思っていたのに上場廃止か」となって、その段階で「いくらで買い取ります」に対してその金額で売ってしまったらおしまいとなるわけです。ソフトバンクに買い取られてソフトバンクの株に代わっていれば、これは株式交換の場合ですが、まだ株を持っていられるわけです。この先まだ株は上がるかもしれません。結果的にソフトバンクの株は最近一本調子で上がっていますので、これは結果論ですから何とも言えませんが、イーアクセスの株主としては結構良かったわけです。ここから落ちることもあると思います。でも、ソフトバンクが上場を維持していれば、まだずっと持ち続けられるわけです。これは株主にとって悪いことではないのかなと思っています。
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