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いいか、よく聞いてほしい。繰り延べ税金資産などというものはない、繰延税金資産なんだよ。

いいですか、よく聞いてください。

繰り延べ税金資産なんてものはありません。繰延税金資産しかありません。
くだらんことを言っていると感じるかもしれませんが、規則で決まっているわけで、勝手に規則を破るなと言う話です。
日経はこれを改める気がないんだとは思いますが、間違いです。
したがって、決算書にも繰延税金資産しかありません。

連結財務諸表規則30条
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=351M50000040028_20210301_503M60000002005
***以下、引用***
(投資その他の資産の区分表示等)
第三十条 投資その他の資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもつて掲記しなければならない。ただし、第四号に掲げる項目以外の項目に属する資産の金額が資産の総額の百分の一以下のもので、他の項目に属する資産と一括して表示することが適当であると認められるものについては、適当な名称を付した科目をもつて一括して掲記することができる。
一 投資有価証券
二 長期貸付金
三 繰延税金資産
四 退職給付に係る資産
五 その他
***引用、ここまで***

財務諸表規則32条
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=338M50000040059_20210301_503M60000002005
***以下、引用***
(投資その他の資産の区分表示)
第三十二条 投資その他の資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもつて掲記しなければならない。
一 投資有価証券。ただし、関係会社株式、関係会社社債及びその他の関係会社有価証券(関係会社有価証券のうち、関係会社株式及び関係会社社債以外のものをいう。以下この項において同じ。)を除く。
二 関係会社株式
三 関係会社社債
四 その他の関係会社有価証券
五 出資金。ただし、関係会社出資金を除く。
六 関係会社出資金
七 長期貸付金。ただし、株主、役員、従業員又は関係会社に対する長期貸付金を除く。
八 株主、役員又は従業員に対する長期貸付金
九 関係会社長期貸付金
十 破産更生債権等
十一 長期前払費用
十二 前払年金費用
十三 繰延税金資産
十四 その他
2 第十七条第二項の規定は、前項の場合に準用する。
***引用、ここまで***

さて、今回、鉄道会社、航空会社などの繰延税金資産が増加し、取り崩しのリスクもあるから、危ないぞ、という趣旨なわけですが、こういう流れです。

1)鉄道会社、航空会社が赤字継続
2)この赤字は、将来、利益をあげたときに利益と相殺され、税金を減らすことができる権利となる
3)その権利を、繰延税金資産として資産にあげているが、将来、もし想定する利益をあげられないとすれば、税金を減らすことができない
4)業績が回復しないと、その段階で一気に繰延税金資産の取り崩しの可能性もあり、財務状態が劇的に悪化する可能性がある

たしかにそのとおりです。
多くの鉄道会社、航空会社の業績悪化要因はコロナであり、この問題が改善すれば、業績が改善するだろうということは現時点では合理的です。したがって総論は大きな問題はないはずです。

監査法人によって繰延税金資産を含む見積もりの監査の程度は異なるとも言われています。それは否定しませんが、見積もりの前提をブラックボックスにしている点が問題なのです。

繰延税金資産を回収できる、と判断した事業計画を開示し、それが実際にどのように推移していっているのか、を開示すればそれで終わりだと思います。基礎データを出さずして、監査と企業だけにその責任を負わせようとするから、自分たちの身を守るために過度に保守的になったり、深く考えずに甘い判断が起きることがあるのだと感じているわけです。


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