M&Aにネガティブな人、ポジティブな人
皆さんはM&Aに対してポジティブですか、それともネガティブですか。M&Aはよさそうですか。M&Aは悪そうですか。もっと言えば、M&Aは好きですか、それとも嫌いですか。M&Aは何となく嫌いだという人は手を挙げていただけますか。少ないですね。無理して挙げなくてもいいですよ。M&Aは何となくいい、どちらかというと好きだという方は手を挙げていただけますか。そんな答えがあるのですね。すばらしいです。普通は逆です。これからネガティブではないということを説明しなければならないのですが、飛ばしてしまいましょう。
M&Aの世間的なイメージはそれほどよくありません。ハゲタカのようなイメージ、いわゆる乗っ取られてしまうというイメージが非常に強いです。特にライブドア以降、そのような報道の仕方をしたケースが多かったためにM&Aに対して非常にネガティブな反応を起こす方が多いです。一方で、報道されるのは大きな案件ばかりです。今皆さんに挙げていただいたようなソフトバンクがボーダフォンを買った、東芝がウェスチングハウスを買った、明治製菓と明治乳業の合併など、これらはかなり大きな話です。ですから、M&Aというのは大会社のものだというイメージがあります。しかし、必ずしも大会社でなければM&Aはできないというわけではありません。
起業家のものかといえば、それも少し微妙です。M&Aはどちらかと言えば、ある程度成長していったところ、あるいは逆に今まではよかったものの今は調子悪くなってしまったのでどこかに救済してもらいたいところというような、ある程度大きくて、これまである程度の成果を残した会社が行う手法だと思っている方が多いのではないかと思います。
ただ、必ずしもそうではありません。M&Aをするときには必ずお金が必要でしょうか。基本的にはお金を使って買います。しかし、お金を使ってない場合というものもあります。ライブドアが昔やろうとしていたことは、お金を使わずに会社を買ってしまおうというやり方で、まず自分と会社の時価を非常に高くします。それから株式交換という手法を使います。「お宅の会社の株をうちの株これだけと交換してくれ、ライブドアの株はこれから100倍になるかもしれないよ、今のうちにうちの会社の株に変えておいたほうがいいよ」ということで、株式の交換を行います。このようにM&Aはお金がなければできないというわけではありません。ただ、今は恐らくできません。もしもここに大きな会社の社長がいらっしゃったら申し訳ありませんが、特に起業家がM&Aをしようと思っても、皆さんの会社の株は恐らく誰も引き取ってくれないので、現金なしでのM&Aは恐らくできません。皆さんがM&Aをしようと思えば現金が必要だと思いますが、本当に大きくて将来有望な会社は現金を使わずに買収を進めることができます。

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大原達朗の経営リテラシー-自ら考え、行動しよう-