大正製薬HD（以下、「大正製薬」）のTOBが成立しました。

議決権比率７３．１２％を約７，１００億円で買収し、あとはスクイーズアウトなどで対応するということです。
１００％となるとほぼ１兆円です。

通常このようなTOBはMBOによって実施されるのですが、ファンドが資金を出し、そこに融資をあわせて実施されることが多いです。

今回は、創業家がすべて資金を出しているようで、どこから資金調達を受けているのだろうと思っていました。
以下の北國新聞の記事によると、三井住友銀行の融資ということです。

https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1245906

これをどうやって返すのだろう？という疑問もありますが、大正製薬は総資産１兆円、純資産が７，０００億円ある会社です。
無借金経営でもありますので、よくあるMBO案件と同様に、今回の株式取得に使った会社と大正製薬を合併させ、大正製薬本体にこの借り入れの返済を負担させるスキームなのでしょう。金融機関としては、金利もそれなりに高くとれるのでしょうし、十分にありうるスキームでしょう。

ーーー以下、ChatGPTによる英訳ですーーー
The successful TOB (Takeover Bid) for Taisho Pharmaceutical involved acquiring a 73.12% voting rights share for about 710 billion yen, aiming for a near 1 trillion yen total for 100% acquisition. Typically, such TOBs are executed via MBOs (Management Buy-Outs) with funding from investment funds combined with loans. In this case, it appears that the founding family provided all the funding. According to an article from the Hokkoku Newspaper, the funding was sourced through a loan from Sumitomo Mitsui Banking Corporation. With Taisho Pharmaceutical’s total assets of 1 trillion yen and net assets of 700 billion yen, along with its debt-free management, the repayment scheme might involve merging the acquiring company with Taisho Pharmaceutical and transferring the loan repayment burden to the main company. This could be a feasible financial strategy for both the company and the banks involved. For more details, please refer to the Hokkoku Newspaper article.

本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。