本誌でもとりあげた（https://ma-japan.info/archives/148958）ニデックとTAKISAWAの同意のない買収が今後のスタンダードになるという趣旨の記事が日経にあがっています。

同意のない買収ってのは、敵対的買収をいい改めたのでしょうが、印象操作をしたい趣旨が見えすぎます。
かえってわかりづらいです。
ここでは理解のしやすさを優先して、敵対的買収として説明します。

敵対的買収とは誰と誰が敵対しているのか、という点が論点です。

ニデックとTAKISAWAのケースで考えてみましょう。敵対しているなら、買収がうまくいきはずはないのです。でも結果的にはうまくいったわけで、この構造を整理しておきます。

ニデックがTAKISAWAを買収したい、と申し入れをするのは取締役会です。ここで敵対するわけです。しかし、取引の当事者は株主です。上場企業の場合、株主はたくさんいますから、個別交渉はできず、経営監視を委託されている取引役会が相手となるわけです。ここが敵対しているということです。

ニデックvs.TAKISAWAの取締役会

という構図です。
最終的には株主が納得したという構図ですから、このさきに

TAKISAWA取締役会 vs. TAKISAWA株主

という構図があるわけです。TAKISAWA取締役会はTAKISAWA株主とニデックの代理戦争をしなければならない立場なのですが、実際にはTAKISAWA株主にも支持をされない喧嘩をしていた、ということに結果的になります。

これを指してニデックは、取締役、取締役会が保身を図っていると指摘しているわけです。

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