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株式譲渡の基本

M&Aで最もポピュラーなスキーム、やりかたは株式譲渡です。

株式譲渡に登場する人物は以下のとおり、「売り手」、「買い手」、「対象会社」が3者です。以下の図をご覧になってください・

売り手と言うのは、今回のM&Aのターゲットとなっている対象会社の株主です。
あくまでも、取引は会社でなくて株主同士行うことになりますので、対象会社の株主が「売り手」になります。

株を買いたいと言っている人が「買い手」です。

株式譲渡は、売り手と買い手の間の取引を言います。

売り手は買い手に対して、株式を受け渡して、買い手は売り手に対してその対価を支払うという極めて単純な取引です。この取引によって、そのM&Aの取引と対象となっている会社の株主が売り手から買い手に代わっていくというのが株式譲渡のスキームです。

株式譲渡の派生系として、株式交換などがありますが、利用されるケースはかなり稀ですので、ここではご説明を控えておきます。

ここで、経営者の皆さんに気をつけておいていただきたいポイントを説明させてください。
株式譲渡は、100%ではなく50%超の株式(厳密には議決権)を買収すれば、支配権を獲得できます。しかし、大手企業以外では株式譲渡の場合、100%の株式を買収することを基本としてください。1株でも株を持っている方は、会社に対して色々な権利を持っています。嫌がらせをしようと思えば、株主はかなりの力を持っているのです。これを避けるためには100%の株式(厳密には議決権)をとっておくことが最善です。

事業譲渡との違いで、売り手の税金についても説明を加えておきましょう。
事業譲渡の場合、売却資金は会社に入金されます。そこでは法人税を支払い、消費税もかかります。残った資金をオーナーに返金しようとして配当すれば、また所得税がかかります。オーナーへの還元はやや難しくなる点に注意をしてください。

株式譲渡の場合には、売却益に20%強の所得税がかかって終了です。株式譲渡は資本取引であり消費税もかかりません。

まず、基本的な部分を抑えておくことが大切です。

本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。
                                                                                                                                                     
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