決算書(PL、BS、CF)の読み方

1.決算書の読み方を知ろう

 皆さん、こんにちは。
 きょうは、経営者のための実践ファイナンスの会計編ということでお話をさせていただきます。

 このビデオの中でやることは三つです。BS貸借対照表、PL損益計算書。キャッシュフロー計算書。この三つの基本的な読み方、見方について簡単に説明をしていきたいと思っています。

 早速、BS貸借対照表からです。

 貸借対照表とは一体どんなものなのかということと、具体的にどうやって読んでいったらいいのかというところの、この2点を整理していただけるいいかと思うのですけれども、初めに結論から言ってしまいますと、BS貸借対照表というのは、資産と負債と純資産。これは、かつては自己資本というふうに言ったのですけれども、この三つの予想しかないのです。ですから、この三つの予想式から押さえていただけるのがいいかと思っています。

 分かりやすくご説明するために、まず、個人の場合にどんな資産があって、どんな負債があって、純資産と個人では、一体どんなものなのかというところを、簡単に例を挙げていきたいと思っています。

 皆さんがお持ちの資産、現金とか、預金とか、少なからずお持ちだと思いますし、家を買われている方は土地とか、その建物などもご自分の資産です。車を持っている方、あるいはその他パソコンとか、日曜大工に使うようなトンカチとか、その他、ぼろぼろのツール。会計的に言うと、車両とか車両運搬具とか、工具器具備品と言いますけれども、これも皆さんの資本です。

 積み立て型の保険をされているような方であれば、これは、将来お金を回収できますので、満期になったらお金を返してもらえるので、これも資産なんです。

 考えようになってなんですけれども、量販店のポイントカードに貯まっているポイントとか、航空会社のマイルなども、将来換算できるので資産といえるかもしれないです。

 ちょっと論点になりそうなところが、語学力。例えば、今の時代語学力のある方というのは、恐らく少しは将来稼げる力があるのではないかと。個人にとってみれば、これは、資産なのではないかと考えることもできるのかと思っています。

 まず、この具体例で、資産とはどんなものなのかというのをイメージしていただけるといいかなと思っています。

 一方、負債のほうに移りますけれども、借金。個人で、いろいろな借金をしている方というのは、そんなに多くはないと思うのですが、家を買われた方とか、車をローンで買われた方、これは、純粋には借り入れ、借金です。 
 もう一つありがちなのが、クレジットカードを使っている方。これは物を買って、サービスを受けて、銀行からの引き落としというのは、少し先です。こういうのを、会計的に未払金というのですけれども、これが負債の一部なのです。会社でも、こういったものというのは、たくさんあります。
 あまり、皆さんにはないかもしれませんが、債務保証。例えば、お子さんとか、あるいはご家族とか、ご友人の債務保証とした場合、これは将来もしかすると、お金を払わなければいけないという可能性があるので、これも人によっては、負債と考えられるかなというところです。
 純資産とは一体何なのかという話なのですけれども、これは、とても概念的な話で、数字をまず入れていっていただいたほうがいいと思うのです。もし、皆さんが個人の持っている資産をリストアップしていただくとして、例えば、合計が5000万円だと。今、借り入れ、カードの残債、残額を全部合わせてみて、1000万円ぐらいでしたと。なると、5000万円引く1000万円の4000万円が、ここの純資産になるわけです。
 その4000万円はどこから来たのかと。これは、勤め人の方であれば、ずっと稼いできて給料をもらってきた、過去の給料の蓄えなのです。会社で言うと、会社がビジネスとしてきた利益の蓄えです。利益を蓄えて、それを手元に現金で持っているとか、会社で言えば工場の設備として運用しているとか、そういう考え方になります。

 次のスライドでは、個人ではなく、企業、組織になった場合の資産、負債、純資産の例を挙げています。
 例えば、ブランド。ブランド力の算定、資産というのは、年に1回ぐらい経済に関する雑誌、ビジネスに関する雑誌でやられますけれども、例えば、Googleのブランドの価値が幾らだとか、マイクロソフトの価値が幾らだとか。日本でも、例えば、トヨタとかソニーとか、日立とか、パナソニックとか、他の何の会社でもいいのですけれども、いわゆる大企業というものに関しては、ブランドがあると皆さん考えていらっしゃると思うのです。このブランドというのは、会社の資産なのではないかと。
 次に、在庫。たな卸資産です。物を売っていらっしゃるビジネスの場合は、多少在庫を持っていないと商売になりませんので、在庫。これは、会計的に言うと、たな卸資産といいます。
 受取手形、手形の商売は、最近だいぶ少なくなってきているのですけれども、手形のやりとりをしている場合というのは、物を売って、その対価として手形をいただくと。入金されるのは、3カ月後、4カ月後とか半年後ですとか、そのようなことがあるのかなと思っています。手形は、いろいろと管理に手間がかかるので、手形は発行せずに、3カ月後に払いますという約束の状態に、お金を後日払いますという約束の状態になっているものが売掛金といいます。例えば、きょう、物を売って、お金を支払っていただくのは1カ月後、3カ月後ですと、このような状況になっている、その1カ月後、あるいは3カ月後にお金を受け取る権利、これを売掛金といったりします。
 のれんというのは、結構論点になってきますので、後ほど説明をしたいと思います。

 負債のほうに移っていただいて、詳細は、この次に説明しますけれども、受取手形の反対。支払手形です。手形を払って、物を買ったりとかサービスの対価を支払うものもありますし、売掛金の反対です。買掛金。物を買いました。サービスは提供されました。ただし、お支払いするのは数カ月後にお願いします。こういうような状況になっているもの、これを買掛金といいます。
 借り入れは、先ほどの個人の場合も出てきましたけれども、お金を借り入れている状態。金融機関、あるいはその他からお金を借りている状態。
 企業で言うと、個人ではないんですけれども、引当金という概念がありますので、これは、後ほどご説明したいと思います。
 差額の概念として、純資産。会社で言うと、主には資本金。資本金は会社をつくったときに入れたお金のことがほとんどだと思いますけれども、それ以外に、剰余金というのがあって、これが過去の利益の積み重ねなのです。毎年1億円ずつ、10年間稼ぎ続けると、これが10億円になるということです。ここは、税金を払った後のものなので、10億円あれば、何がしかに10億円投資できるはずです。この過去の利益というのは、全てキャッシュで残っているわけではなくて、例えば、設備投資として機械装置、有形固定資産なんですけれども、そういうところに入っていたり、売掛金という形になっていたり、場合によっては、のれんという目に見えないような資産になっている可能性もあります。この、イメージをまず持っておいていただきたいなと思います。資産と、負債と、純資産です。ルールとして、資産の金額イコール負債と純資産の合計額が一致するようになっています。なので、この表も資産総額と負債と純資産の大きさが同じになるように書いてあるということです。このイメージを持っていただけるといいのかと思っています。
 先ほど、ご説明したところの詳細を説明したほうがいいことについて、補足説明をします。

 保険というのがありましたけれども、将来お金が返ってくる場合、これは、資産なんです。ただ、保険も掛け捨ての保険があって、保険料を払ったけれども、例えば、けがをするとか、途中で生命保険であれば、亡くなってしまうとか、そういうアクシデントがないとお金が一切戻ってきませんという保険は、資産ではありません。
 ポイントとかマイルに関して言うと、個人で持っている場合ですけれども、明らかに将来お金の代わりとして使える価値があるので、これは資産と言っていいと思います。

 次が、ちょっとポイントなのですけれども、語学力とかブランド。明らかに価値がありそうなので、個人ないしは、企業の資産になるのではないかなと考えがちだと思うんですけれども、これは、会計的に言うと資産ではないんです。なぜならば、価値は確かにあるのですけれども、評価できないです。トヨタのブランド価値って幾らなのですかということを、誰も客観的に算定できないので、これを許してしまうと、各企業は、勝手にうちの価値というのを、1000億あるとか、2兆円あるとか、10兆円あるとかということをやり始めてしまうので、語学力、ブランド、こういったものというのは、資産にあげられないことになっています。一つの会計的に資産と認められるためには、確かに価値はあるのだけれども、客観的に価値が求められるもの。現金は、明らかに価値が分かるではないですか。手元に1万円あれば、1万円の価値があるということは分かるし、その他の売掛金であれば、3カ月後に20万円請求できる権利がありますねと。それは、契約を見れば20万円請求権があるというのは、誰が見ても結果的に確認できるわけです。だからブランドは、特定のブランド価値を誰が計算しても同じだというふうにはならないので、これは会計的には資産にはなりません。語学力も同じです。TOEICで900点持っていらっしゃれば、稼ぐ価値は間違いなくあると思いますが、じゃ、TOEICで900点が一体幾らなのかと。幾らの価値があるのかというと、人によって計算方法が変わってくるはずですし、期待値も変わってくるはずなんです。これは資産にはあげられない。価格を客観的に見積もれないものに関しては、会計的には資産ではないというふうに抑えていただけるといいのかなと思っています。

 たな卸資産。在庫です。これは、文句なく資産です。売掛金の受取手形。こういった金銭債権。先ほどご説明しましたけれど、売り上げをした後、例えば、3カ月後に入金という契約があった場合に、請求権です。3カ月後に幾らか請求できる権利。その金額も合理的に見積もることができるので、評価することができるので、これも資産と考えて大丈夫です。

 のれんというのが次にあって、少し厄介なのですけれども、これは、ブランドに少し近い部分があるのです。ブランドは先ほど資産ではないと言いましたが、なぜ、のれんだけ会計的にBSに貸借対照表にかかってくることがあるのかというと、これは、M&Aを知ったときだけに出てくるのです。ある会社を買いましたと。この会社を買ったときの金額というのは、契約しますから、一体幾らだというふうにはっきりするはずなのです。例えば、1000億円である会社を買いましたと。のれんというのは、一体何なのかというと、先ほどのBSの説明で純資産という金額がありました。会社の価値を算定するときに、純資産という一つの目安になるのですけれども、のれんは、純資産よりも、会社を高く買いましたと。先ほどの例で言うと、例えば、純資産300億円の会社を1000億円で買いましたと。そんなことがあるのかと思われるかもしれませんけれども、普通にあるのです。純資産300億というのはどういう意味かというと、今、会社をつぶした一体手元に幾らお金が残りますかという金額に近いんです。ところが、資産というのは換金価値があるものなので、それを全部売り払いました。負債というのは、お金を返さないといけないものなので、売り払ったものから、負債を全部支払いましたと。手元に、一体幾ら残るのですという金額に近しいのです。

 ある企業を、ある会社が買収しようと思った場合、買った後にすぐ清算するということは、まずなくて、通常は買った後に、もっとバンバン稼ごうと思って買っていくわけなので、将来の期待値を含めて高く買うわけなのです。その将来の期待値がのれんなのです。ですから、ブランドとか、人材とか、いろいろなものが、こののれんの要素に含まれているのですけれども、M&Aをしたときだけ、その金額がはっきり明確になるのです。お金を払って会社を買います。1000億円で買います。その会社の純資産が300億円。1000引く300億の700億というのが、誰がどう計算しても結果は同じになるので、M&Aのときだけ資産になると言っているのは、そういうことです。ですから、のれんが、すごくたくさんあるよう会社、BSに載っているような会社というのは、M&Aで買収をたくさんやっています。しかも、高く買っている。将来に期待をして、高く買っているというケースが多いというふうに思っておいていただけるといいのかと思います。

 負債に移っていただいて、買掛金支払手形。これは下の未払金とセットで考えていただいて、金銭債務と言いますけれども、買掛支払手形というのは、売掛金受取手形の逆です。物を買いました。サービスを受けました。ただし、お金の支払いは、数カ月後です。その義務のことをいいます。未払金も一緒です。基本的に買掛金と未払金は一緒なのですけれども、何が違うのかというと、ここに書いているのですが、買掛金は、そのビジネス本業にかかる仕入れそのものにかかるものなのです。未払金はそれ以外なのです。例えば、水道光熱費とかです。どんなビジネスをやっていても、水道光熱費というのはかかるはずですので、これに関する金銭債務は未払金。例えば、形態の端末を仕入れて売っているという会社があれば、その形態の端末を仕入れて、3カ月後に支払わなければいけないという義務というのは、買掛金と、そういう区別になっていますけれども、内容、意味合い的には一緒だと思っていただいて、大丈夫です。

 次に、債務保証。これは、会社でもあり得ますし、個人でもあり得ます。会社で、グループ会社の債務保証をせざるを得ないと。保証を付けないと子会社、グループ会社で、資金調達ができませんとか、個人でも、親族の方とか、ご友人の方とか、場合によっては、債務保証を引き受けざるを得ないケースというのはありますが、これは、保証した段階だけでは、保証しただけでは負債にはなりません。なぜかというと、引当金のところと関係してくるのですけれども、引当金というのは、聞きなれない言葉だと思いますが、ほとんど未払金と同じだと思っていただいていいです。将来、誰かに幾らか払わなければいけない義務のことを、引当金というふうにいいますが、引当金の要件、ここに書いてありますけれども、これを、読み始めてもよく分からないと思いますので、何が未払金と違いなのかということをご説明すると、未払金というのは、確定債務です。イメージで言うと、請求書がきているものです、水道光熱費、水道代として、先月これだけ使いました。来月20万円引き落とししますので、よろしくお願いしますと。こういう請求書が届いているものは金額が確定していますから、未払金というふうにいいます。 

 引当金は金額が確定していないんです。例えば、退職金。大企業で言うと、退職金の制度、最近は少しだいぶ縮小してきたというか、昔ほど厚い待遇は受けられなくなっているケースが多いのですけれども、それにしても、多額の退職金を払わなければいけないです。退職金を払うための負債を持っています。義務を負っています。それを、退職給付引当金という形であげるのですけれども、退職金って、今の段階で1円単位までびっしり計算することはできないのです。きょうの時点で、今の従業員が全員辞めたら幾ら払わなければいけないのかという計算はできるのですけれども、そんなことはあり得ないわけです。半分くらいの方、あるいは3分の1ぐらいの方は定年までいらっしゃるかもしれないですし、それ以外の方は、定年前に辞めていかれるんですね。細かいことを言うと、在職中に亡くなられる方もいらっしゃるわけですね。そういったものを、全部統計的に計算をして、今の段階で、幾ら負債を持っておかないといけないのかというような計算をしています。こういう計算を、見積もり計算というのですけれども、金額が1円単位で確定はしていない。だけれども、明らかに会社にとっては将来お金を払わなければいけないという義務を負っているというものについては、引当金という形で負債にあげることになっています。先ほどの退職金にかかるような引当金とか、身近な例で言うと、ポイントです。ポイントを発行している携帯キャリアさんとか、家電量販店とか、あるいはマイルを出している航空会社というのは、ポイント引当金というものが、かなり多額に彼らのPSに載っています。

 なぜ引当金なのかというと、これも、1円単位で把握できないんです。今現在、一体幾らポイントを付与しているのかというのは、ポイントを出している会社であれば、システムを立てれば必ず出てきます。ただし、今付与しているポイントを100%使われることはまずないのです。皆さんもご経験があると思うんですけれども、ポイントカードを作らされたお店に、もう2度と行かないと、20ポイントか300ポイントか分かりませんけれども、そういうポイントが消滅したというケースというのは、よくあると思うのです。彼らは、ポイントを出している航空会社とか、家電量販店というのは、実質上使われなくなるものをある程度見込んで、今ポイントの負担として幾ら引当金をとっておかないといけないですねというような計算の仕方をして引当金をあげています。要するに、金額が確定していないというのが引当金。金額が確定している負担が、未払金だと思ってください。
 という、BS貸借対照表の説明をざっとしてきたんですけれども、ここでまとめたいと思います。 

 資産、負債、純資産という三つの要素があると申し上げました。資産は何なのかというと、自分が持っているものなのです。自分の会社で持っているものなのです。あるいは権利を持っているものなのです。ただし、金額を客観的に測定できるものなのです。自分が持っている天賦のさいのうとか、自社が持っている人材とかというのは、確かに価値はあって権利はあるんだけれども、金額が明確に算定できない。なので、会計上、BSの資産としてはあがってこないのです。

 負債のほうは、逆に支払い、あるいは負担する義務のあるものなのです。これも金額を客観的に測定できるものなのです。債務保証の話を先ほどしましたけれども、債務保証しただけでは、そもそも、自分が負担をしなければいけないかどうか決まっていません。幾ら保証によってお金を払わなければいけないのか決まっていません。なので、引当金の要素も満たしませんので、この負債にはあがってこないのです。金額を客観的に測定できるようになったら、あげなければいけない。債務保証の例で言うと、例えば、保証をしてあげた、もともとの借り入れをした方。この人が夜逃げをして、連絡が取れなくなりましたと。取りたてが自分のところに来ました。一体幾ら払えという具体的な取り立てがきています。この状況になったら、残念ながら、本人が、支払いしなければいけない義務があるものになりますし、一体幾ら払わなければいけないのかということも明確になるので、その段階で負債ということになります。
 会社の場合ですけれども、この資産と、負債の差額である純資産。これというのは、元入金というふうに書いてありますが、会計的に言うと資本金です。会社をつくったときに、例えば、1000万円入れました。300万円で会社をつくりました。それは、人それぞれだと思いますけれども、その金額プラス会社が、これまで積み上げてきた利益です。括弧で損失。もし、損失なら、マイナスというふうにいっていますけれども、赤字を出し続けるとこの純資産というのはどんどん減っていきます。資本金を上回ってしまうと、こういう表ではなくて、負債が下のほうに飛び出してきます。今、持っているものよりも、将来、払わなければいけない負担というのが大きくなってきます。これを債務超過というのですけれども、債務超過が長く続くと、会社はつぶれます。要するに、支払わなければいけないようなものが多くなって、お金に換えられるものが、それよりも少ないわけなので、いつか資金ショートを起こして、つぶれてしまう可能性がある。債務超過というのは、そういうシリアスな状況だと思ってください。

 このBSをまとめると、BSの資産側、これは運用状況を示すというふうに言っています。会社が負債と純資産、調達源泉といいますけれども、誰かからお金を借りてきて、幾らか持ってきましたと。会社が資本金として幾ら出しました。あるいは過去に幾ら稼いでいたので、自己資本としてナンボか持っています。それを、今、手元の現金に持っているのか、在庫として持っているのか、あるいは賃貸の店舗をたくさん持っているので、敷金、保証金として入れたお金が死んでいる状況なのかというような、今の運用形態をこの資産ではあらわしています。

 繰り返しになりますけれども、負債とか純資産というのは、そのお金をどこから持ってきたのだという調達源泉を示しているというふうに説明することがあります。

 資本に関して言うと、負債を他人資本といったりします。このお金を使って、会社のビジネスをやっているわけなので、資本だというふうに言ってもいいのですけれども、自分ではなくて、例えば、金融機関からお金を借りてきましたと。他人から持ってきた資本ということを表現することがあります。純資産は自己資本。会社としては自分の自社の好きなように使っていいお金と。資本ということになるので、自己資本というふうに言ったりします。
 これが、ベーシックな貸借対照表BSの要素です。まとめて言うと、企業の現状を示す、あらわす計算書といってもいいのかなと思います。

 具体的にBSを読んでいこうと、ある会社のBSを読んでいこうと思った場合に、資産と負債と、純資産だけですと、ちょっとざっくりし過ぎているので、もう少し、ブレークダウンが必要なのかなと思っています。流動資産から有形固定資産、無形固定資産、投資、その他の資産というふうに資産を分けることが多いです。流動負債、固定負債というふうに負債は分けることが多いです。あとは、純資産です。この右と左のサイズが違うのは、A社とB社を借りに比較しようとした場合、大きさを目で見て分かるようにしてほしいんです。そのことによって特徴というのが見えやすくなってきます。左側のA社というのは、右側のB社よりも大きいのですね、資産をたくさん持っているんですねということとか、この会社A社、左側の会社というのは、無稽古資産をたくさんあるんです。でも、右側の会社は無形固定資産はそんなにないとか、特長が見やすくなるので、いったん、目に見えるようにビジュアル化してみるということをお勧めしたいなと思っています。

 このBS分析するときの、読み解くときの、一つのコツなのですけれども、一つの会社のBSを穴のあくほど見つめても、何を言っているかよく分からないんです。例えば、NTTのBSを見ましょうというと、資産20兆円ぐらいあるので、めちゃくちゃ大きいです。異常終了なのです。これでは、意味がないので、例えば、ソフトバンクと分析してみるとか、KDDIで分析してみるとか、同業の会社というのを比較分析してみるということが結構重要です。それによって違いがはっきりしてきます。違いがはっきりしてくると、なんで、こんな違いが出てくるのか、そのことによって、どっちの会社にどんなメリットデメリットがあるのか、今後、どちらかある側面では、必ずいいとか悪いとかというふうに判定ができると思うので、いいほうに追いつくために、今度は、どんなことをしていかなければいけないのかという戦力にもつながってきますので、ぜひ、同業分析していただきたい。今後の目標を設定する意味で、BSを分析するのであれば、比較対象は目標とすべき会社にするべきだと思います。いつか、こんな会社になりたいと考えていらっしゃるような会社というのを、分析対象にしていくといいのかなと思っています。

 今の流用資産、有形固定資産、その他もろもろの説明を、一応ここでします。

本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。
                                                                                                                                                     
M&A仲介・アドバイザーを事業としたい方・既にされている方へ
セミナー・サービス名詳細金額時間
誰にでもわかるM&A入門セミナー会場開催の詳細とお申込み

オンライン講座の視聴
無料2時間
M&A実務スキル養成講座会場開催の詳細とお申込み

オンライン開催の詳細とお申込み
M&A実務スキルの詳細
198,000円2日間
JMAA認定M&Aアドイザー資格取得およびJMAA会員に入会資格詳細とお申し込み入会金33,000円
月会費11,000円(1年分一括払)
-
案件サポート制度JMAA会員が初めてM&Aアドバイザリー業務に取り組む場合、あるいはすでに何度かアドバイザリー業務に経験があっても、難易度が高い案件の場合のための、JMAA協会が会員に伴走して案件成約に向けて協力する制度です。 お申し込みは当協会ご入会後にお知らせします。JMAA正会員の関与する対象案件の成功報酬の50%-
買収を検討されている企業団体様へ
セミナー・サービス名詳細金額時間
誰にでもわかるM&A入門セミナー会場開催の詳細とお申込み

オンライン講座の視聴
無料2時間
M&A実務スキル養成講座会場開催の詳細とお申込み
オンライン開催の詳細とお申込み

M&A実務スキルの詳細
198,000円2日間
買い手様向けセカンドオピニオンサービスM&Aセカンドオピニオンサービスの詳細 33,000円
追加相談サービス 33,000円/1時間
1時間〜
売却を検討されている企業団体様へ
セミナー・サービス名詳細金額時間
誰にでもわかるM&A入門セミナー会場開催の詳細とお申込み

オンライン講座の視聴
無料2時間
M&A実務スキル養成講座会場開催の詳細とお申込み

オンライン開催の詳細とお申込み

M&A実務スキルの詳細
198,000円2日間
売り手様向けセカンドオピニオンサービスM&Aセカンドオピニオンサービスの詳細 33,000円1時間〜

M&A実務を体系的に学びたい方は、M&A実務スキル養成講座


メルマガ登録はこちら

大原達朗の経営リテラシー-自ら考え、行動しよう-