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経営者が知るべき会社、事業を売る準備(2018年11月15日改定版)

大廃業時代を迎える中小企業へのM&Aサービスが活況で、そういったサービスを扱う企業の株価上昇も期待されるという記事がありました。

たしかにそのとおりですが、売る方には準備が必要です。準備不足ですと、結局思ったような条件では売れません。無駄足を踏まないためにも、ぜひ以下の動画、書き起こしを確認いただき、万全の準備をしてください。

以下にいくつかの点について説明をしていますが、とっかかりは財務だと思います。なぜなら、現在、いくら稼いでいるのか、がわからないと将来、どのように改善できるかわかりません。したがって、売却希望金額を算定することもできません。タダでもよいというなら別ですが、売り手がタダでも良いと言っていて、財務情報がまったくなければ、相当状況が悪いでしょうから、これも売るのは難しいでしょう。詳しくはビデオ、また以下の書き起こしをご覧ください。

こんにちは。今日は会社事業を得るための準備というテーマでお話をしていきます。
財務、労務、法務、強み弱みの整理という順番にお話をしていこうと思います。

財務:
まず一番初めが財務なんですけども、財務というよりはビジネスの話になります。そもそも、儲かっているのかという点が大きいポイントです。もちろん、赤字の会社が絶対に売れない、ということはないのですが、確率論で言うと、儲かっている会社の方が圧倒的に売れる可能性が高いです。
したがって、儲かっているということを前提にした上で、そもそも事業別とか毎月ごと、月次決算の数値が、きちんと作成できていて、資料をして準備できるか、確認していただきたいと思います。
経営者の頭の中に、この企業の売上はいくらで、費用はいくらなのか、という情報は入ってると思いますが、買う方からすると経営者の頭の中を覗くわけにはいきませんので、きちんと資料として残っていて、最終的にはデュー・ディリジェンスという形で、過去の数値が、本当に正しかったのかどうかチェックしますので、書類が残ってます、具体的には入出金の事実を確認できる通帳とか、銀行のデータがあります、という形になってないと、結局、その交渉はどこかでつまってしまいます。情報がないからやっぱり買うのをやめる、あるいは、目をつぶって買うから、その代わり買収金額は大幅に割引をしてくれ、ということになりかねません。きちんと評価をしていただく、高く売るという意味で財務の情報をきちんと整理していただく必要があります。
記帳や会計処理を会計事務所に委託している場合に、こういった月次とか事業別の記録がきちんとされていない、という状況が思ったよりもたくさんあります。きちんとした会計事務所であれば、月次の数値はきちんと集計されているでしょうが、意外と事業別の業績をきちんととらえていることは少ないのが実情です。
一事業ごとの損益は把握しているけれども、一事業ごとにどんな資産があるのか、という点を把握していることは少ないです。会社をまとめて売却するときにはあまり問題にはならないですが、会社の一部、一事業を売却しようとする際には問題になりますので注意が必要です。
結果的にこうした情報を整理することによって、ウチのビジネスは順調で将来も有望である、ということを買い手に伝えることになるので、財務というよりもビジネスそのものを第三者にわかりやすい形で準備をしておく必要があるということです。

人:
次に人です。
キーパーソンは存在するのか、事業を回す、責任者は存在しますでしょうか?
オーナーがいないと事業が回らない場合には、基本的には売れません。したがって、将来の売却を考える場合には、自分が抜けても商売が回るようにしておかないといけません。あるいは、キーパーソンがいないということであれば、売却後も1年間、ないし2年間程度、会社に残り、後継者候補を育成、引き継ぎをすることが必要になります。このようなパターンのM&Aもありますので、キーパーソンがいないからと言って。絶対に譲渡ができないという風に悲観的な考えないでいただきたいと思います。
基本的に、キーパーソンがいて自分は抜けてもなんとか回る番頭と言うか店長クラスの人はいるんだということを前提に続きの話をすると、その方が仕事を続けてくれることが、重要な条件です。
経営人材がどこの会社でも不足していますので、譲渡後も社長として残ってほしいという要望も数多くあります。むしろ、それなりの規模であれば、こうしたパターンのほうが多いくらいです。彼らは、M&Aを人不足、経営人材不足をカバーするための手段としても考えているのです。その場合に、売り手にその覚悟があるのか、これまで自分の判断で、ある意味好き勝手やってきた経営が、そうではなくなります。一方で責任は軽くなります。その覚悟があるのか、という点もあらかじめよく考えておいたほうがよいでしょう。
その覚悟がない場合には、大企業の傘下にはいり、経営を続けるという選択肢はない、とあらかじめ、買い手に明示しておくべきです。

労務:
今の時代は、労務管理について非常に厳しい世の中になっています。例えば社会保険の未払がある、あるいはそもそも社会保険に加入していないような場合です。
社会保険に加入していない状態で例えば2,000万円利益がでているとしましょう。買収後、社会保険に加入すると、利益は減ります。買い手としては、当然、その減った利益を基準に、買収金額を決めますので、売り手と買い手の売買金額の目線に差がでてきてしまいます。
したがって、売却を考えるのであれば、事前に社会保険にきちんと加入しておくということも重要な準備になります。
社会保険料の未納があるような場合には、買い手に迷惑がかかりますし、通常、売却できません。このような状況がある場合には、法的整理の一環で事業譲渡をする場合を除き、事前に整理をしておくことが必要です。
労務管理は、今、売買時に非常に重視されるポイントです。

法務:
少なくとも、契約書が整理、保管されていることは基本的なポイントです。
次に会社法、各種業法によって要請されている書類が適正に整理されているかどうかも買い手は気にするポイントです。
これがないと、免許の取り消しやペナルティーの可能性もあるわけですから、買い手としては慎重にならざるを得ません。
長年、経営を続けてきた方が経営を続けるのであれば大きな問題にならないようなことについて、M&Aをするということは、これまで経営に関与していない第三者が来て、あらたに経営をはじめるということです。彼らにわかりやすい書類、体制を作っておく必要がどうしてもでてきます。

強みと弱みの明示:
最後にとても重要な強みと弱みの明示です。
皆さんの会社の強みと弱みはどこでしょうか。強みについては、じっくり考えれば1つ2つはでてくると思います。
一方で弱みはどうでしょうか。弱いところを明らかにするだけではあまり意味がありませんが、弱みを補完できる先はどこなのか、というところまで考えると、どんな会社に買ってもらうがベストなのか、という点が明確になってきます。
買い手からすると、お金さえ出せば儲かる、という事業があれば最高です。そのお金を生産設備、販促なのか、個別案件によって異なりますが、その穴を埋めれば、売上、利益があがっていく、そんなイメージがはっきりできると買い手は最高です。
今、厳しいのは人さえいれば、というパターンです。それは買い手も同じ状況だからです。

本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。
                                                                                                                                                                                                  
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