本当に役立つ「月次決算データの見方と使い方」

11.予算対比の重要性

 予算対比も当然重要である。ただし、予算対比が効果的なものは可能なかぎり予算の前提が詳細に計画されている場合である。例えば、今年100百万円の売上を10%伸ばし、110百万円の予算を立てようとする。よくある話であるが、今年の100百万円は維持して、既存顧客で5百万円、新規顧客で5百万円の売上増を見越し、110百万円の予算を立てるのである。

 しかし、これでは予定通りに事が進まなかった場合に、対策のしようがない。要するに気合いが足りなかった、またガンバレや、という程度のことしか言えない。社長に部長がボロクソに言われ、部長に担当がボロクソにいわれて終わってしまう。既存の顧客の100百万円の売上を維持するための前提は何なのか、定期訪問、商材の紹介、場合によっては接待も必要かもしれない。

 この前提をしっかりと計画し、かかるコストをしっかり把握しておく必要がある。さらに既存顧客への売上を5百万円増やそうと思えば、既存の製品の売上を増加させるのか、新規商材を売り込むのか、そのためには何度、先方へ営業に向かうのか、どの商品を売り込むのか、その商材でどのような個数、単価設定を予定しているのか。事前にできるかぎりの予定を詳細に落とし込んで予算を作っていくのがよい。

 前提がしっかりしていれば、結果として売上を達成しようとしまいと、前提と何が違っていたのかを把握して、改善することができる。前提がない場合には、気合いが足りないとか、そもそも顧客のところにいっていないとか思いつきの対応策しかとれず、ただでさえ経営資源が限られている現在、余計なコストがかかってしまうだけに終わってしまう。ここは売上と営業部門を中心に説明をしてきたが、原価、製造でも同じことが言える。標準原価計算を使えばこのようなことは実践可能だが、その場合、標準原価をどのような根拠に基づいて算定したかが大きなポイントとなる。


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