武田雄治さんから、送っていただきました新著をご紹介します。

武田雄治さんとはもう７－８年の付き合いとなります。アルテ監査法人の立ち上げを準備している中で、出会いました。彼は決算早期化、IFRS導入などのプロジェクトを組織でもやってきましたが、彼の経験則から、自分自身が手を動かして、クライアントのために動く、という信念を持ち、実際にすべてのコンサルティングを自身で手がけられている会計士です。ご存知の方も多いと思います。

この本は第２版ですが、初版からはかなり大幅に加筆がされています。今回の版では「決算と監査のタスキリレー」が決算早期化を実現している企業の特徴として挙げられています。決算早期化のためには、監査も滞りなく終了することが不可欠ですが、とりあえずやりっぱなしの決算業務を監査法人に投げつけ、チェックを受けている企業も多いのが現実です。それでは、工数ばかりかかり、早期化もできませんし、監査報酬はあがるばかりです。

このような事態を防ぐために、ツールを作りこむ、経理部でセルフチェックをする、分析を実施するといった重要項目が続きます。そして具体的な事例が豊富に記載されているところが本書の特徴でしょう。総論ではなく、具体的な事例を知ることが行動へ移すときの重要なポイントですから、本書はそのポイントをしっかりとおさえています。事例を参考にしつつ、決算早期化への準備を進めて欲しいと思います。

本書では、経理部は情報製造業であると指摘しています。私も賛成で、経営管理に役に立つ情報、投資家に有益な情報を、早く正確に製造するのが経理部で、単なる集計屋とは一線を画さなければホンモノではありません。経理部に配属されていて自分の仕事に悶々をしている方にとってはそのブレークスルーのきっかけになるかもしれません。経理部の方々が、プライドと自信を持って経営のためにご自分たちの仕事をやっているんだという意識を持ち、実際に行動していただくことが私は最重要だと思っていますが、この理想に向けての大きな一歩を踏み出すヒントが満載、といってよいでしょう。

実は、武田雄治さんと相談して、監査法人目線での決算早期化の本が絶対に必要だよね！という話が元になって書いたのが以下の書籍でした。まだご覧いただいていない方はぜひ、武田さんの本とセットでご覧になってください。

本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。