餃子の王将の第三者委員会報告書が提出されています。オリジナル版はこちらからご覧ください。

結論からいって、Aという人物が代表を務める企業B社と200億円程度の目的、経済合理性が不明な取引があり、資金が流出、そのうち170億円程度が未回収になっているということです。この取引が足かせとなり、東証１部に上場できなかった状態が続いていましたが、殺害された大東元社長がA氏、B社との関係を何とか清算した、ということです。

今回のレポートを読めば、多くの方は反社会的勢力＝反社との関係を疑うはずですが、この第三者委員会報告書では、反社との関係は認められなかったとしています。詳しくは報告書の５１ページ以降をぜひご確認いただきたいのですが、反社との関係を確実にチェックする方法が現在、日本にはありません。反社との関係は、企業にとって大きなダメージになりますが、それを確認する方法がないのです。

この報告書でも

１）新聞記事検索
２）WEB 風評検索
３）JPR&C 独自データベースとの突合等

しか、実施されていません。この結果、明らかに反社との関係を確定することはできなかった、ということです。もちろん、明確な証拠がない以上、このようなセンシティブな問題は結論づけられません。また、強制調査権のない第三者委員会ではこれが限界でしょう。

いまだ犯人が逮捕されていない現状を鑑みると、警察もまだ決定打を持っていないのかもしれません。反社との関係が明確でなかったとしても、不適切取引の解消に尽力した元社長が射殺されてしまったのは、事実ですので、一刻も早い解決を期待します。第三者委員の方々もそれを望んでいるに違いありません。

大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa

王将、過去に不適切取引２６０億円　第三者委報告書：朝日新聞デジタル https://t.co/64TgYR1Aw2

2016/03/30 02:08:22

 

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