鴻海が、シャープを買収するにあたり、偶発債務が出てきたため、協議が長引くため、主要取引銀行が融資返済期限を１ヶ月延長すると報道されています。

これまでは３月末に融資返済が必要であり、その資金を鴻海からの出資で得ようとしたが、３月中に結論が出ない、と判断し、銀行も同意せざるを得なかったのでしょう。

偶発債務がかなり後になって出てきた段階で、鴻海はかなりシャープのスタンスについても疑問視しているはずです。気をつけるべきは、鴻海はシャープを買収しなくても何の問題もないということです。すでに、鴻海１社しか買収を検討していない状況で、鴻海は自分が納得しなければ出資する必要はないわけですから、シャープは生き残るのであれば必死に彼らに頼らなければなりません。今、そういう状況なのです。

１ヶ月交渉期限が実質的に延期になりますが、これだけ時間があれば、この３月末の決算の状況もはっきりするはずです。１２月末時点で連結の純資産が1,600億円、偶発債務の処理如何では債務超過もありえます。買収側からすれば、偶発債務のうち、実質的に損失とみなされるものがどの程度あるのかは、大きな問題になるでしょう。その結果によっては、減額では済まず、買収自体の取りやめもありえます。それだけ、買い手が１社に絞られ、しかも重要事項を開示してこなかったシャープはかなり厳しい立ち位置にあるはずです。

大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa

鴻海とシャープ主取引銀、長引く協議　融資返済期限延長へ　　：日本経済新聞 https://t.co/7Fb6pLZIUA

2016/03/23 05:53:00

 

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