トーマツなどが日本の大手とシリコンバレーのベンチャービジネスを仲介するイベントを開催すると報道されています。

シリコンバレーで存在感の小さい日本企業がアピールするのが目的のようです。シリコンバレーでは日々、新ビジネスが立ち上がります。私だったらグーグルなど米国でグローバル展開を激しくしている企業に認めてもらい、少しでも多くの資金を調達したいですし、その後のビジネス展開に期待ができる企業に出資をしてほしいと考えます。存在感がないということはそういう期待値を起業家に与えていないのが根本的な原因ではないでしょうか。

シリコンバレーといえば、ITビジネスが日本でもIT企業はビジネスのスピードが早く、日本でもM&Aも積極的に行われています。そして、その多くはM&A仲介会社を通さずに行われています。IT企業は経営者も若く、友達の友達くらいの範囲でほとんどのIT企業の経営者にたどり着きます。M&Aの交渉の多くがこのネットワークの中で実施されています。本気で出資をしたければ、このネットワークに入り込むことが重要です。もちろんM&A仲介会社にも案件情報はありますが、他の業種と比較すると、業界内でM&Aが完結しているのが圧倒的に多いのがIT企業です。

そして、そのネットワークにはいろうと思えば、自分の足でネットワークを作るべきでしょう。人を介して、金で解決できるわけではありません。また、M&Aは経営者にとって重要なものです。ご自身が勉強もせず、担当者に丸投げになっていませんでしょうか。仲介会社も相手を見てビジネスをします。何でもいいから、よい案件を持って来い、というリクエストにはそう簡単に応えません。売り手のお客様も情報もとても重要だからです。経営者自身が理解し、担当者に適切な指示を与えるか、自身で動くべきです。ベンチャービジネスの発掘もM&Aも丸投げではうまくいくはずがありません。

大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa

トーマツなど、日本の大手とシリコンバレーのＶＢ仲介　　：日本経済新聞 https://t.co/RQ6O5f2xkg

2016/02/29 05:53:08

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