PwCあらた監査法人が有限責任監査法人へ移行し、その結果、日本の大手監査法人がすべて有限責任監査法人へなると報道されています。

有限責任化は止むを得ないでしょう。大手は１社で1,000社の上場企業を顧客として持っています。社員でも自社の顧客だと知らない顧客すらあるはずです。この状態で、自分が一切関与しない業務に対して無限連帯責任を負うことはあまりにも厳しいからです。しかし、このことによりオーナー感覚は皆無になり、大手の社員は総サラリーマン化することになります。

しかし、そもそも１社の監査法人が1,000社の上場企業を担当する必要があるのでしょうか。現にPwCあらたはそんな規模はありませんが、東芝の監査を受けるだけでなく、トヨタやソニーの監査も担当しています。

たとえばですが、１００社程度に上場企業を担当する監査法人が３０社あれば、顧客に選択の余地も出てくると思います。今は大手で３社、顧客目線からすれば、正直違いはほとんど分かりません。私は監査法人の「専門店化」を以下の書籍でも提唱していますが、そうした自然な競争環境があらためて必要なのかもしれません。

大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa

ＰｗＣあらた、７月から有限責任監査法人へ移行　　：日本経済新聞 https://t.co/1VzQnAEGwC

2016/02/19 05:58:56

 

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