東芝テックの四半期報告書が信託銀行の計算ミスがきっかけで、延期されると報道されています。これは監査法人にとってかなり厳しい事態です。

専門家の利用といって、年金数理計算など複雑な計算は会計士自身ではなく、他の専門家を利用することになります。もちろん彼らの信頼度などをきちんと把握はするのですが、これまで適正な計算をしてくれた実績のある信託銀行がこれをやってしまうとなかなか厳しいというのが本音です。

数理計算については、制度変更などの場合に、明らかに数値が異常なものが算定された場合に、算定基礎条件が間違っていた、というのは私にも経験があります。これだけおいつめられた状況ですから、監査法人でこういった初歩的な分析をないがしろにしていた、ということは考えたくありませんが、これがないとするとなかなか監査人にとっては厳しい状況です。ただし、金額的に影響が小さければ、重要性の範囲内として処理できるはずなのですが、現在は東芝問題で原則、重要性の問題で逃げるのは難しいのかもしれません。

大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa

東芝テック、四半期報告書提出を延期　　：日本経済新聞 https://t.co/wjQ2Cj56LI

2016/02/10 21:38:12

 

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