郷原先生が新日本監査法人による一連の東芝監査対応について酷評されています。内容については、以下をご参照ください。

この背景にあるのは、会計士のサラリーマン化であり、非経営者化にあると見ています。大手監査法人の現在のトップは入社時に現在とは比較にならないとはいえ、上場企業の顧客をたくさんもつ会計事務所に職員として採用された世代です。その中で、社内の出世競争に勝ち残った方々です。そして、最近では監督官庁である金融庁の検査などを無事パスすることなど、顧客目線というよりも、内部目線の業務が重視されている間、出世競争に勝ってきた方たちが大半のはずです。

監査法人は合併を繰り返して大規模化してきていますが、すでにそれを仕組んだ多くの経営者は引退していますし、いわゆる大企業の経営をしっかり勉強し、経験し、実践している経営者がほとんど組織内にいないことが実態です。

そして、それこそが現在の大手監査法人の本質的問題でしょう。もちろん、大手の監査法人にはものすごく優秀な方がたくさんいます。しかし、それは多くの場合、会計や監査のプロフェッショナルであって、いわば職人なのです。人が経験が勝負の監査ビジネスではどれだけ優秀な職人を確保しておくかが、ビジネスの勝負の大きなポイントを占めます。しかし、経営は職人だけでできるとは限りません。しかも専門職だけで３０００人の組織です。相当なノウハウが蓄積され、経営者を育成し、一番優秀な経営者を選抜する仕組みが必要なはずです。会社経営を適正に会計数値として表示されているかどうかをチェックするのが会計監査ですから、もっともっともっと経営そのものに関心を持ち、経営者の育成をすることが私は監査法人業界全体における本質的な課題であり、対応策であると考えています。

大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa

年明け早々から重大な危機に直面している新日本監査法人　 #BLOGOS https://t.co/V0E0u9xn4H

2016/01/03 08:03:09

 

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