2015年はM&A金額が世界で過去最高になっていると報道されている。もちろん大規模案件の貢献が大きいわけだが、日本国内では中小案件も増えている。

中小案件の取引金額は、あまりに多額になるということは少なく、大型案件と比較してもかなり控えめなことも多い。

これはM&Aはやはりリスクが大きく、大企業と異なり、組織化が十分でない中小企業はよりリスクが大きいことによるだろう。しかし、リスクは当然ある。

一方で、まだまだ小さい企業をシーズとして、新規事業のタネとすることも可能だろう。まったくのゼロから新規事業を作り上げるよりは、すでに小さいながらも形はあるものを使えるわけだから、成功確率はM&Aを利用したほうが拡大に高いはずだ。

買い物にはリスクは付き物だ。しかし、それでもゼロから始めるよりはリスクが低い。そのリスクを下げたければ、リターンも低くなる。言い方を変えれば、リスクの低いM&Aをやっていても成果はたかが知れている。最悪の場合、経営者や担当者がやった気になるだけの自己満足に終わってしまうことも多いはずだ。

M&Aは買収後のいわゆるPMIを考えると数をこなして、経験値を蓄積していかないと難しい部分がある。だからこそ、リスクはとりつつも１つで終わるのではなく、いくつかの案件をこなし、経験値を蓄積していく、というスタンスが必要になるはずだ。M&Aが本当に普通の取引になるまでには、まだまだ経験の蓄積が足りない。これからM&Aに取り組む企業は、経験を時間をかけて蓄積していくことも念頭においていただきたいところだ。

大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa

「買収価格を決めて終わり」は大間違い　　：日本経済新聞 https://t.co/IiVPnvE0p6

2015/12/05 07:15:51

大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa

15年のM＆A額、過去最高に https://t.co/NJh2NbNQ3R @WSJさんから

2015/12/05 07:15:13

 

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