レセプト債４社が破綻したと報道されている。記事によると仕組みは以下の流れとなる。

医療機関の診療報酬の７割程度は、健康保険から支払われる。しかし、支払いまでに時間がかかるため、いったんこれを買い取る。ここで買い取った期間は通常利益がでる。たとえば１００円の診療報酬請求権を９５円で買い取るなどして、ここで利益を確定する。健康保険からの回収はほぼできるため、あまり大きなリスクをとらずにここでは利益をとれるビジネスだ。

レセプト債はさらにこれを小口にわけて投資家に販売したわけだ。ここでも販売手数料などを業者はとることができたであろう。１つの商品で２度稼げる、非常にオイシイ商売だったのはないか。

ここで終わっていれば大きな問題にはならなかったはずだ。投資家から受け取った資金を元に、医療報酬債権を買い取って回していけば問題はなかったはずだ。しかし、彼らはその資金を別の用途に使ったか、使い込んでしまったのだろう。

投資家は金融機関を通してこの債券を買っていたのだろうが、その証券会社を信用してのことだろう。証券会社も売っておしまい、ではなく、きちんと目利きをしたうえで販売すべき、というのは簡単だが、実際には簡単ではない。顧客は自分自身の眼で、商品の目利きがなるようにならないと本質的な問題は解決しないだろう。自分の大切な資金を預けるわけだから、他人任せではなく、自分で責任をもって商品の内容を確認し、リスク判定をしたうえで投資をするということだ必要不可欠だ。

しかし、今回の件は純粋に使い込みの可能性が高く、投資家としてはかなり厳しい結果となってしまったと言えるのではないだろうか。

大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa

「レセプト債」４社が破綻　227億円回収不能のおそれ　　：日本経済新聞 https://t.co/usvGmiBIPT

2015/11/10 06:14:10

 

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