中小企業の事業承継について、税制優遇など国も後押しをしていると報道されている。しかし、現時点で十分な施策を採っているとは考えにくい。

たとえば、投資ファンドの利用や、上場企業以外でのM&A資金の融資制度などが準備されているという。

先日、政府内関係者からこの問題についてヒアリングを受けた。彼らの目的は、中小企業事業承継用の融資制度を政府系金融機関では準備しているのに、ほとんど活用されていない。その理由が知りたいし、民間の金融機関ではそういった融資を扱っているのか？この２点についての情報収集であった。

現在、上場企業以外のいわゆる中小企業で、M&A資金をそのものの理由で融資をしている民間金融機関はほとんどないといってよいだろう。また、政府系金融機関の制度も同様だ。私の提案は積極的に、政府系金融機関で融資を行い、その実績をベースに民間に協調融資をぜひ働きかけて欲しいというものだった。

そのステップとして、政府系金融機関の融資制度をもっと告知してほしいということだ。私自身もその融資制度のことを知らなかった。多くの方が自分の会社を売ることもできる、また買い手の資金調達にも選択肢がたくさんある、と「知って」いただくことが重要で、これこそまさに官が機能する場面だ。ぜひ、彼らとも全面協力して、みなさんにM&Aや事業承継のことを「知って」いただくために情報提供を続けていきたい。

大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa

中小の事業承継、手法多様化　国も税制優遇で後押し　　：日本経済新聞 https://t.co/UDu9fIl7gY

2015/10/26 05:20:58

 

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