ブイキューブのシンガポール企業買収金額の妥当性
ブイキューブ社がシンガポールの教育IT企業を買収したと報道されている。大きな案件ではないが、海外ビジネスを買収する良い例なので、以下リンク先の情報をまとめておく。
・シンガポールで教育用クラウドサービスを提供するウィズラーンテクノロジーズを買収。
・買収価格は約16億8000万円
・買収価格は約16億8000万円
・対象会社の直近の業績は売上高が9億6100万円で税引き前利益が2億9200万円
・シンガポールの公立学校の半数以上が導入するなど、サービスの利用者は50万人を超えるという。
ブイキューブは、今期の業績見込が売上66億円、営業利益が5億円の企業のため、この買収によって、大幅な増収増益となる。問題は買収資金だが、当面は銀行借入れということになるだろう。しかし、本業の業績とともに対象企業もしっかり稼げる体制ができているうえに、シンガポールの法人税率は17%と安い。現時点で税前の利益が3億円弱出ることを考えると、償却費と同額の投資をしたとして、フリー・キャッシュ・フローは2.5億円程度。これであれば、対象会社の利益だけで7年間程度で返済、回収できる見込だ。シンガポールのこれだけ顧客を抱えている企業の買収金額としては極めて妥当な金額だろう。
海外案件を買収する際には、異常な高値が付くことがあるが、本件は少なくとも公開されている情報からそういった懸念は見られない。あとは経営をどうしていくかだろう。打つ策を打った会社の問題の多くは人材、というケースが多い。誰かどうやって経営していくのかが、次の大きな課題になるだろう。
大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa
ブイキューブ、シンガポールの教育用IT企業買収 :日本経済新聞 http://t.co/OcV9pSrqcp
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