GMが１０年以上、欠陥を知りながらリコールなどを実施せず、その問題を放置したとして、厳しい処分を受けている。VWは１１００万台以上の排ガステストで不正を行い、CEOが辞任した。

VWはトヨタと販売台数世界一を争う超優良企業だ。そんな企業でなぜこんな事態が起きてしまったのか。東芝と同じような問題はなかったのだろうか。

GMのように１０年以上、品質管理の検査部門の不正が、現場だけで実践できていたとすれば、またVWのように品質管理部門で不正なソフトウエアを現場レベルで採用できていたとすれば、それは経営者の責任だ。なぜならば、そんな重要な業務を現場だけで完結するような仕組みを放置していたからだ。こういった問題を防ぐ体制を採るのが、経営者の業務そのものなのだ。

現実的にはVW、GMで現場レベルで本当にそんなことができるチャチな仕組みを採用していたとは考えにくい。現実的にはトップ・マネジメントの指示、あるいは黙認があったに違いない。その本質的原因は、当事者意識の欠如にあるのではないだろうか。会社よりも個人の意思を尊重してしまうことだ。これは所有と経営が分離している、株式会社の本質問題かもしれない。経営者は、株主から経営を委託されている。最終的な責任の取り方は辞任だ。辞めてしまえば終わり。それであれば、稼げるうちに稼ぎたい、という感覚が強いのかもしれない。会社より自分がかわいい状態だ。

一方で創業経営者は違う。自分＝会社、会社がコケれば自分がコケる。そう簡単に会社で不正を怒らせるわけにはいかないわけだ。この場合、経営者はまさに当事者となる。

言葉でいうと簡単なこと当事者意識だが、これをどうやって浸透させるのか、VWやGMでも徹底できないのだから、そう容易ではないが、規模の大小を問わず経営者はこれを追求していくことが必要なのではないだろうか。これができない人間、やりたくない人間は経営をすべきでない、といったら言い過ぎなのだろうか。

大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa

辞意表明のＶＷ会長、不正関与は否定　欧州なども調査へ：朝日新聞デジタル http://t.co/rPQ7svqEIb

2015/09/24 09:56:20

大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa

ＧＭ、１０７０億円で米司法省と和解　欠陥放置問題で：朝日新聞デジタル http://t.co/m0iERC6xl2

2015/09/19 21:01:45

 

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