のれんの定期償却なく、大手企業がIFRSで純利益押し上げと報道されている。これ自体は間違ってはいないが、IFRSではのれんの定期償却はないもの減損はありうる。定期償却がないだけ、減損が生じた場合にはその損失は多額に上る。

IFRSののれんについては、簡単にこのブログにもまとめたので、参照をしていただきたい。

IFRSの任意適用ははじまって日が浅いので、M&Aを繰り返す企業はのれんの償却がなくなり、業績に良い影響しかまだない。

しかし、時間が経過し、買収した企業が当初の想定どおりの業績をあげられない場合、将来に多額の損失が計上される可能性がある。日本企業は将来の業績見込みをかなり甘く見て買収を決定することも多いため、結果からみれば損失の繰延をしただけ、という結果も予想できる。IFRS≠単純に利益が増える、というわけでないことはおさえておきたい。

大原 達朗 Tatsuaki Ohara@ohhara_cpa

ＩＦＲＳで純利益押し上げ　大手企業、のれん定期償却なく　：業績ニュース ：企業 ：マーケット ：日本経済新聞 http://t.co/ygUhdnyEm2

2014/09/04 05:58:18

 

本誌は、M&Aを売り手、買い手、アドバイザーが三方良し、となるのが当たり前の世界の実現を目指しています。そのためには当事者が正しい情報を得て、安心して相談のできる場が必要です。その実現に向けて本誌は、日本M&Aアドバイザー協会で、以下のサービスやセミナーを提供しております。