ESG債が国内では地方債としてスタートするということです。

ESG債とは、社債や国債のような借入の一種であり、その借り入れた資金をESG目的に使う、というものです。
これを国内では川崎市などが地方債として取り入れています。

川崎市のものは、償還期限5年。表面利率は0.005%

50億円の発行に対して投資家から13倍以上の購入申し込みがあり、調達資金の使途は温暖化ガス排出が少ない庁舎への建て替えなど

これを機関投資家がやっているとすればこの金利はビジネスレベルではほとんど意味がありません。わずかなこの公債へ投資することにより、ウチはESGへの取り組みバッチリです、という言い訳に使われることがないことを祈ります。

そもそも自治体の資金調達であればESGの目的に全く添わないということは少ないでしょう。今回は結局、庁舎の建て替えが使途です。いまどき、市の庁舎が環境適応しないわけにいきませんから、これをESG債というべきなのか、疑問はあります。

さらに資金使途が庁舎の建て替えなのに、償還期限が５年間というのも？です。庁舎への投資がそんな短期間の資金調達でまかなえるものなのか、本誌にはわかりません。

趣旨としては悪くないのですが、形式、体裁を整えるためだけに利用されないことを期待したいところです。

 

ESG債発行、地方が国に先行　川崎など7都県市に拡大: 日本経済新聞 https://t.co/IEDfs7DBir

— 大原 達朗 Tatsuaki Ohara (@ohhara_cpa) November 6, 2021

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