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スモールM&A現実と成功のための12のポイント:ポイントその1 M&Aアドバイザーとはなにか。自称アドバイザーにも色々種類があるのです。

2020年に「スモールM&A現実と成功のための12のポイント」というテーマで1時間ほどのオンラインセミナーを実施し、その後もアーカイブとして配信しています。

シリーズとして配信することにしましたポイントの1つ目は「M&Aアドバイザー」についてです。

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今日はスモールM&Aの現実をお伝えします。

今、M&Aを成功させるために知っておくべき12の事実というテーマでお話をしていきます。
動画はこちらです→https://www.youtube.com/watch?v=oqNPadA7JaU&t=0s

なぜこのタイミングでこのテーマを選んだのかということですが、スモールM&A、個人M&A、マイクロM&A、要するに大企業だけではなく、中小企業や個人も含めたM&Aの業界というのは、ここ数年間で激変をしています。

いわゆるM&Aのマッチングプラットホームができただけではなくて、相当の案件数が日々掲載されるようになっていますし、実際に成約事例というのも相当出てきています。個人M&A、スモールM&Aに関する書籍もかなりの数が出てきていて、それを実際にご覧いただいて、実践されている方もたくさんいらっしゃいます。

M&Aの業者もかなり数が増えてきています。経産省、中小企業庁を中心とした国のサポートについても相当頑張っていただいているので、かなり環境が整ってきた。言い換えると、外堀が埋まってきた状態だなと強く感じます。ですから、今新型コロナウイルス の環境下ではありますけれども、スモールM&A、個人M&A、中小企業のM&Aに取り組んでいくにはとてもいい時期だと思っています。ただ足りないことがいくつかあるなと日々この業務に携わっていて感じる、また是非お伝えしたいことがあります。今日12のポイントという形でまとめましたので、是非皆さんに内容を確認していただき、皆さんのビジネスやM&Aの業務に活かしていただければと考えています。

早速内容に入っていきます。
最近このM&Aに関する動画も比較的頻度を上げてUPしています。今日のスライドの中には最近別の動画で取り上げているものもありますが、スモールM&Aの環境をとらえる意味では重要なものも含まれていますので、重複にはなりますけれども取りあげてご説明をしていきたいと思います。他の動画でも見たことあるな、他のセミナーでも聞いたことあるなと感じることがあるかもしれません。もしかしたら私以外の方も当然のように同じようなご説明をされているということがあってもいいと思っています。それだけ重要なことなのだろうなというふうに感じていただけるとありがたいです。

 

では、早速ですが、まず12のうちの1つ目。
動画はこちらです→https://www.youtube.com/watch?v=oqNPadA7JaU&t=174s

M&Aアドバイザーという職業という職業があります。M&Aというのは、一般の企業の方にとってそんなに頻繁にあることではないと思います。特に、会社やビジネスを売るという方にとってみると、多くの方がそんなに経験することもないだろうし、あったとしても一生に一度の方が大半だと思います。なかには、二度三度四度と会社を作って売却をしていくというような強者もいらっしゃいますけれども、極めて限定された方だと思います。

買う方もそうですね。継続的に会社を買収して、会社をどんどん大きくされている方もいらっしゃいます。ただ、やはり全体の中ではごく一部で、仮に何回も会社を売ったり買ったりという経験をお持ちの方であったとしても、初めての経験の時というのはあるわけですね。その初めての時に、アドバイザーとして売りたい・買いたいという方についてアドバイスをしていくというのが、いわゆるM&Aアドバイザーという業務です。

簡単に「アドバイザー」と言ったり、よくあるのがこの表の右端にある「FA」ファイナンシャル・アドバイザーのことを略して「FA」というふうに言います。厳密な定義というのは、別にありません。というのは、FAに関しても、M&Aアドバイザーに関しても、公的な資格というのがありません。公的な資格がないということは、それを規定している業法というのがありません。公的な資格というのがどういうことか。例えば、弁護士なんかはわかりやすいです。弁護士というのは国が認定している資格です。で、その弁護士を認定するために、あるいは彼らを管理監督するために、弁護士法という業法があります。税理士も同じです。税理士も国が認定している国家資格です。税理士を管理監督するために税理士法という業法があります。

FA・M&Aアドバイザーには業法がありません。なので、明確な定義がないのです。弁護士や税理士には明確な定義がありますし、彼らはいわゆる独占業務です。言い換えると、弁護士や税理士の資格を持っていないとできませんよ、それは国が認めている免許の事業なのですから、というものがないんですね。なので、明確な定義がないのです。

一般的にどのように考えられているのかということと、もともとの語源「ファイナンシャル・アドバイザー」というからには、ファイナンスのアドバイスをしているはずなんです。それを私なりに分解して整理をしてみたのが、この表です。

左端に「マッチング」「アドバイス」「交渉」「買収資金調達」「手続」というのが、ものすごく大きく分けた時のM&Aの手続の項目です。M&Aアドバイザーやファイナンシャル・アドバイザーがやらなければいけない項目です。右端の「FA(ファイナンシャル・アドバイザー)」のところを見て頂くと、全部に丸がついています。「マッチング」とはどういうことかと言いますと、売りたいという方からご相談を頂いたら、買いたいという方を探してきて候補先と会わせることです。逆に、買いたいというご相談を受けた時に、売りたいと会社を探してくるということも、この中に含まれます。極端に言うと、ご自身で探してくると言う方はこの機能は必要ないですが、普通初めて会社の売買に取り組もうと考えた時に、なかなか自分の会社に適した買い手(買いたいという会社)、逆に売り手(売りたいという会社)を探すのは簡単ではないので、ここを専門家に頼みたいというニーズは間違いなくあると思います。

「マッチング」でA社から依頼を受けてBという会社を紹介して、円満解決、そのまま手続きに進みましょうというわけにはなかなかいきません。可能性がゼロとは言いませんけれども、やはり複数の候補先とあたって条件交渉をしていって、売り手・買い手にとってこの辺りがお互いに落とし所だろうというようなところを探っていかなければいけない。どういう相手と、どういうやり方で(これをスキームと言ったりします)M&Aをしていくべきなのかというアドバイス、あるいは、相手との金額や条件交渉等についてもFAに対しては求められています。もともとファイナンシャル・アドバイザーというのはファイナンスのアドバイザーですから、その非常に大切な機能として、買収資金の調達、買収する時にこういう資金調達の方法があるじゃないですかというアドバイス、投資銀行であれば場合によっては自分たちが資金を出すということも当然ありうると思いますが、そこも含めて最終的に資金の準備ができました、交渉が完了しました、条件が合致しました、じゃ、契約、デューデリジェンス、その他諸々の手続きをしていくという流れを全部を求められている、一般的にやると考えられているのがファイナンシャル・アドバイザーです。だから簡単にFAです、と名乗ることはなかなかできないのが本当のところなのです。

M&Aアドバイザーと言われている人と、FA(ファイナンシャル・アドバイザー)の大きな違いは、M&Aアドバイザーは買収資金の調達まではやりません。というか、やれません、という点です。
もちろん気の利いた、あるいは人脈を持っているようなアドバイザーであれば、金融機関と紹介してくれたりというようなことはあると思いますけれども、主要な機能にはなっていない。ただし、それ以外の「マッチング」から「手続」までの機能は、M&Aアドバイザーに求められています。M&Aアドバイザーとして報酬を取るということになれば、少なくともこの「買収資金調達」以外の部分に関してはきちんとアドバイスできなければいけない。それができなければ、報酬を取れないんですね。報酬というのは、レーマン方式という方式で、これは大昔から決まっています。でもこれはFAの報酬なのです。買収資金の調達も含めた報酬の相場がレーマン方式です。次のページでレーマン方式については説明しますけれども、それにも関わらず、買収資金の調達はできませんということになると、本当にそれだけのバリューが皆さんが頼もうをしているアドバイザーにあるのかということは一度考えるべきなんじゃないかなと思います。それを考えるためには、FAとは何なのか、アドバイザーとは何なのか、それ以外の方は何をどうしてくれるんですかということを理解しておかないと判断することすらできないと思うのです。

次に行きましょう。 「ブローカー」 あえてブローカーというふうに言いますけれども、こういう方多いのです。何をしているのかと言いますと「マッチング」です。要するに、売りたいという方を見つけたので、あるいは相談を受けたので、買いたいという方に繋ぐ。基本的には以上終了です。ただこのブローカーという方が必要ないのかというと、僕はすごく大事だと思います。やはり、良い相手を見つけるということは非常に重要でかつ、難しいことです。なので、本当の意味で人脈、情報網を持っているような方に売りたい・買いたいという方を紹介してもらうことは何の問題もないです。ただし、M&Aのアドバイザーの業務というのはマッチングだけではなくて、手続きまでかなり広いのです。したがって、適正報酬という意味では、FAと比較してマッチング(相手を紹介する)だけのブローカーは低いのが当然だと思っています。ただ、ブローカーもFAもM&Aアドバイザーというのも今ごちゃ混ぜなんですね。その区別がほとんどできていなくて、M&Aの仕事やります、どういう契約にしましょうかという場面で、ネットで拾ったFA契約の雛形を使って契約をしてしまう。そうすると、ブローカーで基本的には案件しか紹介しませんよ、それしかできませんよというふうに考えられている方も、FA契約してしまっているのです。マッチングから手続きまでやりますというようなことが書いてある契約をしている。これ、ブローカーにとっても大きなリスクです。債務不履行ですから。契約書にやると書いてあることをやらずにお金を取ろうというふうにしているわけですから。ブローカー的な立場の方、アドバイザーという立場の方、FAという立場の方を使う方もよく理解をしておかなければいけないし、あなたは何をやってくれるのですか、どんなことをやってくれるのですか、それに対していくら払うべきなのですかというところを皆さんご自身で判断できるようになっていただきたいなと思っています。 もう一つ大事なこと。左端にある「専門家」について、ここではあえて分かりやすく「国家資格を持っている方」にしましょう。弁護士、税理士、公認会計士などの方ですけれども、彼らが得意とするのは一番下の「手続」です。条件が決まったので、株価算定の評価書を株主に説明するために出してもらいましょう、各種のデュー・ディリジェンスをやっていきましょう。当然ですが、契約書は非常に重要なものなので、再給契約書を弁護士に頼んで作ってもらいましょう、あるいはアドバイザーが作った契約書のドラフトを最終チェックしてもらいましょうというような手続に関することであって、マッチング、アドバイス、交渉、買収資金の調達というところは不得手な方が多いはずなのです。もちろん、弁護士で全部できる方というのは中にはいると思いますが、これは国家資格を持っている方、一般的な話をしています。ですから、弁護士に相談すればFAと同じようなことができるわけではないのです。中には弁護士でFAと同等か、それ以上の仕事ができる方はいます。いますけれども、それはごく一部です。一般的に言うと、こういう役割の中で、アドバイザーという名前が名刺に書いてある、自分はアドバイザーだと言っている方はたくさんいらっしゃるのですけれども、彼らのできるところ、強いところがどこなのかを、この表を見て是非考えていただきたい。で、丸投げしたらやっぱりコストは高くなるんですよ。アドバイザリー費というのが絶対に高くなる。なので、この中で自分たちにできることは一体何なのか、具体的に自分たちでやるべきことはどこなのかというところを一旦整理していただきたいと思います。これが今日の一つ目です。とても大事なことなので、少し丁寧にお話ししました。

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