HP（ヒューレット・パッカード）については、買収した先の決算がメチャクチャで激しい減損処理をしたという報道がでている。

○「最悪の買収」を裏づけたHPの減損処理
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36602 

対象企業はオートノミーという企業で、区分利益やセグメント売上区分を変更する粉飾、循環取引をしていたことが買収後発覚し、HPは50億ドルにもおよぶ減損処理をしたとなっている。

上記の記事にもあるように、このことはアナリストからも事前に指摘があったとされているし、デューディリジェンスをしっかりしていれば分かるはず。それでもダメな場合には、M&Aに関する譲渡契約で売主の損害賠償責任が規定されているのが通常だ。このあたりについての言及がないので、やや疑問点が残るが、HPクラスの企業ではありえない事態であることは間違いない。

念のため、HPの決算を確認しておく。

○HP Reports Fourth Quarter and Full Year 2012 Results
http://h30261.www3.hp.com/phoenix.zhtml?c=71087&p=irol-newsarticle&ID=1760639
＊＊＊以下、引用＊＊＊

＊＊＊引用、ここまで＊＊＊ 
直近の12ヶ月のPLを確認すると、Impairment of goodwill and purchased intangible assetsが180億ドルある。上記の記事では50億ドルの減損があったということだが、それだけではすまない減損をこの１年間で実施していることになる。その影響が大きく、営業利益が110億ドル、売上が約1,200億ドル、ざっくり売上が10兆円で、営業損失を1兆円、その損失の理由がのれんの償却、という状況にある。

オートノミー以外にも100億ドル以上の、のれんの減損を抱えているHPは通常な事態にあるとはいえない。 
 

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