ヤマダ電気の業績がかなり悪化しているという報道がされている。

◯ヤマダ電機、中国出店見直しも　純利益42％減
http://www.nikkei.com/markets/kigyo/gyoseki.aspx?g=DGXNASGD0805X_08112012DT3000

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もちろん、危機ではあるが、冷静に今のヤマダの業績を押さえておきたい。まず、PLから見ていく。
最大手のヤマダの売上が20％近く落ちている。これが業界全体の厳しさを示している。

売上総利益率は、25％前後で大きな変化はないが、販管費がほとんど減少しておらず、営業利益率が6.3％から2.6％と激しく落ちている。基本的に、薄利多売のビジネスモデルなので、売上が落ちると利益がでにくくなるのが通常だ。

これらはエコポイント制度終了によるものであり、当初から予想をされていたはずだ。
それに対応するために、ヤマダはエス・バイ・エルを買収し、スマートハウスビジネスへ参入した。少なくとも、このスマートハウスビジネスが、エコポイント終了の影響の穴を埋めるほどの効果をだしていないというのが、現状であろう。残念ながら、セグメント情報を開示していないので詳細は不明だ。

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次にBSを見ておきたい。約１兆円の総資産に対し、負債が4千4百億円。現時点で赤字転落しているわけでもないので、いますぐに会社がどうこうなるレベルではまったくない。

しかし、短期借入金が約5百億円から約1千億円と増えているのは利益が落ちているにもかかわらず、在庫や売上債権が増加している、という点がポイントだろう。

少し短期の資金不足の傾向がでているかもしれない。

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まとめると、売上の減少が即利益減少につながる薄利多売ビジネスであり、業績的には厳しいが、財務状態から、いますぐ急に会社が倒れるというような危機ではまったくない。しかし、エコポイントによって稼いでいたものの穴埋めを期待していたエス・バイ・エルがその穴埋めを十分に果たしているとは考えにくく、中国進出も難しい今、次の収益のタネを捜索中、という状況とみてよいだろう。

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