不正に対応した監査の基準の考え方（案） を確認しました。
期待ギャップを埋めるために、一歩踏み出すことには大賛成です。

今回の考え方は以下の引用のとおりです。

○不正に対応した監査の基準の考え方（案） 
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kigyou/siryou/kansa/20121018/01.pdf

＊＊以下、引用＊＊

＊＊引用、ここまで＊＊

しかし、これは構造的に無理があります。具体的には以下のとおりです。

１）会計監査は試査で実施されているので、完全に不正を見抜くことはできません。
２）会計監査は財務諸表が適正に作成されていることを保証するので、不正が生じた場合には、不正を防止するというよりは、不正の結果が正しく財務諸表に開示されているかどうかを確かめることに目的があります。
３） 不正は内部統制の限界を超えた部分で行われるケースが多いため、内部統制に依拠した現在の監査では見抜けない場合が多いはずです。

これに対応するには試査をやめて、精査をするしかありません。

それは現実的でないことは誰もが分かっていると思います。そこで、このような努力目標のような基準を作ることになってしまうのでしょうが、これは基準化すべきではないと思います。もちろん、様々な研究結果から判明した留意点をしっかり明記して、監査人に周知することはもちろん重要です。

それに監査人は対応して不正の端緒をキャッチできるような実力をつけていく必要があります。
そして、その結果、監査人の適正な競争につながり、企業が優れた監査人を選べる環境をつくるべきです。

基準化すると、言われたことをやったことを証明するためのチェックリストが増えるだけです。excuseのための仕事はいったんやめて、誰のためになぜやるのか、議論するのか、しっかり方向性を決めるべきです。

それには以下でも述べたとおり、会計や監査だけでなく、証券市場ともいったいとなって考えていくべきです。対価を支払っている企業にメリットがないことは経済的にはなりたたず、近いうちに破綻するはずです。

http://blog.livedoor.jp/ohhara_cpa/archives/51930301.html

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